3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)/城 繁幸
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【所感】

同著者の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」が結構面白かったので、

読んでみました。


述べられている主旨は、前著書「若者はなぜ3年で辞めるのか?」と同様ですが、

実際に、年功序列というレールから降りた人々が数多く挙げられており、
対話形式で記述されているので、頭にスッと入ってくる印象はありました。


ただ、やはり内容は重複しているので、前著書を読んだ時ほどの衝撃は、

個人的にはありませんでした。



【登場人物と記述概要】

◆キャリア編

①外資系就職者
 ・働く上で心掛けていることは"自分の市場価値を高めていくこと"
 ・会社と個人はギブアンドテイクの関係
 ・キャリアとは与えられるものではなく、自分で手に入れるもの

②大手新聞社記者
 ・年功序列の世界では1つの価値観が幅を利かせ、

  多様性は現れない
 ・キャリアのレールは経営陣までの一本道
  現場でプレイヤーを望む人も例外なく従うしかない。
 ・他者と競い合い、同じレールを全力疾走するということを

  諦めてみれば別の道が見えるかもしれない

③IT業界就職者
 ・革新的進歩への対応を必要とするITは年功序列と合わない
 ・しかし、年功序列により仕事は序列にしたがって割り振られ、
  嫌いな仕事も不得手な仕事も関係ない 
 ・昭和的価値観で重要視されてきたのは、仕事内容ではなく会社名

④女性留学生
 ・経済が成熟すると、主導権は消費者側へ移る
 ・消費者の多様なニーズを汲み取り対応することが必要

⑤転職経験者
 ・浅く広く仕事を経験したゼネラリストは評価が低くなる
 ・一定の専門性を持つスペシャリストなら評価される
 ・転職では、何をどれだけ経験したか?何ができるかのみが重要
 ・会社と社員はギブアンドテイクの対等な関係


◆独立編

①サラリーマン⇒ベストセラー作家
 ・生気のない目で机にかじりつく社員ばかりの会社に
  顧客を魅了するサービスは期待できるのか?
 ・"公私混同"し、仕事も余暇も人生として楽しむことで、
  良い仕事が出来る


②サラリーマン⇒僧侶
 ・人に聞いた質問に対し、自分は答えられないということは、
  そこに固定概念があるということ
 ・自分の目指すものを自分で語れる人であるべし


③リクルートの採用人事
 ・新卒⇒企業では需要と供給の調整が不可能
 ・給与を「年齢⇒能力」、「職能給⇒職務給」へ転換
 ・これにより多様な価値観を組織へ取り込む
 ・若者だけが働き手であるべき理由はない



◆日本企業のおかしな点

 ・入社時の業務内容の未提示
 ・評価の基準が曖昧
 ・契約書と実際の労働内容の差異
 ・これら組織の個人に対する圧倒的優位性により
  キャリアの主導権は会社側が握る

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)/城 繁幸

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【所感】


現代の日本企業の人事制度の問題点がよく理解できました。


高年齢者の既得権の擁護、そのために犠牲となる若者、名ばかりの成果主義…。

以前は日本企業の強みであった「年功序列・終身雇用」が、
如何に現代に当てはまらない制度であるか、上手く解説されていたと思います。


【まとめ】


1.若者はなぜ3年で会社を辞めるのか?


 ①若者

   近年の新入社員は入社時点で明確なキャリアプランを持っている。


   これは、就職が以前に比べ困難になっており、面接で明確なプランを語れなければ、

   次々と落とされるというシビアな現実を経験しているためである。


   そのため、入社できれば「自分は自分の望む仕事をやるために入社した!!」という

   強い信念を持っている。

  

 ②先輩社員

   これに比較し、以前に入社した先輩社員には、バブル時代に、

   仕事内容ではなく、会社名で企業を選択した社員が多い。


   そのため、仕事内容にこだわりはなく、どんな仕事に対しても、

   比較的抵抗感なく臨む。
 

 ③入社して知る現実

   新入社員として入社すると、入社面接で述べた役割とは程遠い

   下流の仕事しかやらせてもらせない


   たとえ能力があったとしても、年齢が上というだけで、

   上流の仕事はすべて先輩社員に持っていかれる。

   (年上の先輩の能力・適正のあるなしには関係なく。)


   先輩に相談すると「若いうちはなんでもやれ」の姿勢を求められ、

   望む仕事が出来るのは程遠い未来だということを知る。


   ここで、若者は「入社試験で求められた役割」は意味を持たないこと、

   やりたい仕事をやるには、年功序列という一本道のレールに乗り、

   ただ待つしかないという現実を知ることになる。


 ④こうして若者は3年で会社を辞める

   レールに乗りただ待つしかないことを知った若者は、

   より自分の望む役割を与えられる会社を求め、会社を辞める。  


 ◆近頃の若者は…の危険性

   「若い内から責任のある仕事を任せる、成果は出世払いではなく

   キャッシュで払う」外資系の企業では、近年優秀な学生の就職が増え評価されている。


   「近頃の若者は… わがままだ。根性がない。向上心がない。」

   がよく聞かれる会社とは、そのような若者しか入社してくれない会社であるという危険性がある。


     
2.見せかけだけの成果主義

 社内の権限は年齢によってのみ定まる

   ⇒よって仕事のアウトラインは上位年齢層がつくることになる。

     ⇒若者の仕事はこれに従うのみになる。成果など上げようがない。

      権限を持ち大きな成果をあげるには、コツコツと雑務を積み上げていくしかない。

       ⇒結局、仕事の大きさも上げ得る成果も年功序列。


3.キャリアプラン

 ・現代のキャリアプランは、マネージャーへの1本道しか用意されていない。
 ・ゼネラリスト、スペシャリスト2つの道筋を用意すべき。


4.若者にまわるツケ

 ①組織における人件費削減は、概ね若者の調整によって行われる。
  採用人数の調整や、非正規雇用社員という雇用体系の確立など。

 ②これらは、社会の実権者が上位年齢層であるため発生する。
  上位年齢層は下位年齢層がどうなろうと、自分達の既得権を守りたい。


5.これからの働き方

 ①自分の価値を高めるため「会社を利用する」気概を持つ。
  「滅私奉公」ではこれからは生きていけない。

 ②「自分は○○をしたい」という動機を明確にする。
   現在、自分が乗っているレールがこれに繋がるものか?
   繋がらなければレールから降りる覚悟を持つ。

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)/勝間 和代
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【所感】

 金融リテラシーの重要性を述べた上で、
  ・投資に対して第一歩目をどう踏み出すべきか?
  ・どのような手順でステップアップしていくべきか?
 が本当に具体的に書いてあり、近い距離の話として読むことが出来ました。

 特に「銀行へお金を預けておくことは、資産を守ることではなく機会損失である」
 という言い回しは、足踏みしている自分にとって響くものがありました。

 また、この本をきっかけに(遅ればせながら)勝間和代さんを知り、
 一気に大ファンになりました。

 投資に興味がある人も、投資はギャンブルみたいなものだと考えている人も、
 ぜひ読んで頂きたい一冊だなと感じました。


 リスク資産・投資への考え方に対して、きっと得るものがあると思います。


【金融リテラシーまとめ】

 ◇基本原則は「金融はリスクに応じてリターンが生じる。」である。
  そして、リスクはあくまで軽量可能・コントロール可能(risk≠danger)。

 ◇理論上、株式や債券を買わないことは、得られるべきお金をより失っていることになる。
  これは機会損失であり、投資による値下がりリスクよりも、より大きなリスクである。

 ◇各金融商品の性質(第2章全般)
   ・為替の仕組み(P82-85)
   ・住宅ローンは銀行が儲かり消費者が損をする(P94-99)
   ・銀行が進める金融商品が顧客にとって良いものとは限らない(P114)
   ・確定拠出型年金(401k)…将来私たちの退職金は私たちが運用する必要性がでてくる?(P123)
   ・生命保険は通常の金融商品よりも割高(P129-130)


【実践】

 ①リスク資産への投資の意思を固める

   リスク資産を持たないことは、本来その資産を運用していれば
   得られるであろうお金を放棄していること。機会の損失である。


 ②リスク資産に投資をする予算とゴールを決める
   ・記述例1: 35歳から年に67.7万円を投資。利回り4%で運用。⇒55歳で3000万円
   ・記述例2: 22歳から年に56.6万円を投資。利回り4%で運用。⇒50歳で3000万円。60歳で5120万円。


 ③証券会社に講座を開く

   ポイント1:月々積み立てタイプの投資信託を扱っている会社
   ポイント2:ノーロード型の投資信託が充実している会社
   を選ぶ。
 
   ※ノーロード型 … 投資信託購入に手数料がかからない。
  

 ④インデックス型・積み立て型で投資を始める
  ◇ポイント1
    (1)TOPIXや日経平均など「日本株式のインデックス・ファンド」
    (2)「日本債権のインデックス・ファンド」
    (3)「海外株式へのインデックス・ファンド」
    (4)「海外債権へのインデックス・ファンド」
    へ、それぞれ1/4ずつ分散投資。
   ⇒分散投資により、リスクを下げリターンを安定させる。

  ◇ポイント2
    月々積み立て形式で積み立てる。
    4万円であれば、ポイント1の4種類へ1万円ずつ毎月投資。
   ⇒月々の積み立てにより、投資対象の価格をノーマライズ。リスクを分散。


   ※インデックス投信
    日経平均やTOPIXなど一定の指数に連動するよう作られた創始信託。
    ファンドマネージャー等人件費がかからないため、信託報酬が安い。
    運用成績はトップにはならないが、一貫して平均的なリターンは上回る。 


 ⑤数ヶ月から半年、「ながら勉強」で基礎を固める  
   月々4万円ずつ投資信託に積み立てながら、値上がり、値下がりを見つめ
   基準価格を見るイメージを掴む。運用レポートに目を通す。
    

 ⑥~⑩より積極的な投資へ…(省略)