今回は、算命学オフ会
の翌日のお話。
振り返ってみますと、前回の上京は、2018年の7月。
その時のメインイベントは、弥生美術館の
『文豪・泉鏡花×球体関節人形 ~迷宮、神隠し、魔界の女~』展。
でした。和製ダークファンタジー? あやしすてきな時間でした。
併設は『竹久夢二美術館』。夢路好きな方は是非。
どっぷり夢路。盤古はさほど思い入れはないけれどw
その時には、他に、田端文士村記念館
を始め、森鴎外記念館からの、Ⅾ坂(団子坂)、喫茶『乱歩』へ。
その他、東京の真ん中あたりをうろうろしておりまして。
日本近代文学館へ行ったら休館日だったという苦い思い出もありますが。
今回は、中央線を西に。
三鷹の山本有三記念館(建物がおステキ♪)からの、太宰関連を攻めるかと思っていたのですが。
前々日からの腰痛が悪化してしまい!
断念無念。
替わりと言ってはなんですが、宿泊先から歩いて行ける
『世田谷文学館』へ。
文学館だけれども、『谷口ジロー』展をやっておりました。
申し訳ないのですが、谷口ジロー先生について、わたくしに語れることは、ほぼほぼありません。『孤独のグルメ』の、漫画を描いた人だな、くらいしか……。
出張帰りの井之頭五郎さんだそうですw
展示室に入って、圧倒されたのは、その画力(精緻さ・迫力)、そして、なによりその量。
描く、ただひたすら描くことができる作家なのだということ。
描くことが『よろこび』の人なのだということ。
こういうの見ちゃうと、自分がどれほど命と時間の無駄遣いしているかを思い知らされる。
どちらも、(この生では)間違いなく有限であるというのに。
ロビーのディスプレイで、関係者が氏について語る番組(?)が放映されていたのだけれど。
その中で、原作を勤めた方のお話が興味深かった。
『編集者に、「絵はすばらしく上手いのだけれど、ストーリーが書けない漫画家がいてね」と紹介されたのが彼で』
……そういえば、原作者付きの漫画家っていうイメージがあったな。
『なんでも描くけど、10話の話の、毎回必ず動物を入れてくれ、と条件を出してきた』
たしかに、原画を見たうち、動物の絵、多かったな。
とにかく、原画を眺めるうちに、こちらも何かワクワク誘発されるというか、「あ、なんかやらなきゃ。生きてる内に」という気にさせられました。
『坊ちゃんの時代』、読んでみようかな。
実は、同建物内で開かれていた、『セタブン大コレクション展 PARTⅠ ふかくこの生を愛すべし』が、個人的にはとても馴染み深い企画で。
世田谷にゆかりのある作家の自筆原稿、創作ノート、手紙、書画書籍雑誌写真、etcがずらずらと。
鴎外から始まって、漱石、重治、利一、茂吉、子規、犀星、朔太郎……、あ、福永武彦もいたよ(←私信w)。
一番は、安吾の直筆(であろうとされている)の色紙(イラストあり)が見られたのが、オレ得w
『世田谷文学館』を出まして。
さぁ、どうしようかな、もう帰ろうかな(東京を後にしようかな)とも思ったのですが、ふと、このちょっと先に、『蘆花公園』があることを発見し。
そういやぁ、この地の駅の名前が『芦花公園駅』だな、と。
ついでだし、行ってみるか、とてくてく。
着いてから発覚したことには。
この公園の『蘆花』って、徳冨 蘆花から来てたんや!
母屋、秋水書院、梅花書屋といった建物群が無料(←ココ大事)で公開されています。
ああ、昔の匂いがする家。うっとり。
公園には、蘆花が植えたモウソウチクの竹林、雑木林、夫妻の墓なども。
旅の最終日は、まったく予期していなかった文豪たちとの出会いがあった、ホクホクな日でした。