『夜の学校』 田村理江 著 文研出版
『ふたり』 福田 隆浩 著 講談社 (2014年高学年の読書感想文コンクール課題図書)
夏休みが終わり、やっと仕事モードに慣れてまいりました。夏休み中は仕事しているよりある意味忙しくなるので、本は全く読めませんでした・・・。
学校に戻ると、以前読んでみたいな~と思っていた本を見つけたので、家に持ち帰って読んでみたところ、なんと2冊とも小学校6年生の女の子とクラス内のいじめについて書かれた本でした。
この本を読んでいると、ちょっとむなしい気持ちになります。きっと、ちょっと都会の小学生を設定していると思うのですが、主人公たちは中学受験に向けての勉強が忙しく、親や友達との関係に疲れたりイライラしています。そして、そのいらいらが関係のない一人に向かって「いじめ」という形で発散されていくのです。
学校にいると、高学年の児童はさすがにちょっと冷めた感じもするけれど、いじめがあるようには授業中の姿を見ていても感じられないのですが・・・。こういった本を読んでいると、大人には見えないところでやっぱりあるのだろうかと心配になってしまいます。
自分の子供の頃を思い出してみて・・・たしかに、眩しいほど幸せなことばかりではなかったし、今思えば不登校気味の子、グレーゾーンの障害を持つ子がいたり、先生が授業を放棄してしまい学級崩壊になっていたり、先生の体罰ももちろん容認の時代でした。
でも、クラスでいじめがあったかどうか?これを考えると少なくとも小学校時代はなかったと思うのですが、きっと私が気が付かなかった、あるいは「していた側」だったのかもしれないと、『夜の学校』を読んで思いました・・・。
『夜の学校』の主人公、加門蘭は勉強もできて自分の意見もズバズバ言える女の子でクラスのリーダー的存在です。いまは来年の冬の中学受験のために塾の勉強が大変で、そのうえ仲の良くない両親、ガミガミうるさい母親にうんざりしている毎日です。学校では大人しくて何も言ってこないクラスメートの雫をなにかといじわるをしてしまいますが、言い返してこない雫も悪いと思っています。
そんな蘭があるきっかけから、異世界に迷い込み、その学校では蘭が雫にいじめを受けているのでした。
異世界でいじめられる側になってはじめて、いじめられている側の気持ち、いじめる側の気持ちを考えるようになりました。
『ふたり』はいじめている子たちの心理描写はほとんどなく、ただなんとなくみんなが流れで一人をいじめている様子が怖い気がしました。ただし、いじめを受けている子にある人が「もっと自分たちの未来を信じていいとおもうよ。」というメッセージを残してくれました。
今いじめにあっている子供たちは、その世界しかないので絶望してしまうと思いますが、大人からすると「もっと世界は広いし、楽しいこともたくさんあるよ。」と教えてあげたいです。
本を読むことで、自分の世界を広げてほしいと思いました。