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バニラ日誌

平成24年4月から平成25年7月まで、近畿大学通信教育部で図書館司書資格を勉強し、修得するまでをつづったブログです。さらに、その後小学校図書館司書の臨時職員としてのこともつづります。さらに、その後認知症介助士の勉強と認知症の母について書いています。

『夜の学校』 田村理江 著 文研出版

『ふたり』 福田 隆浩 著 講談社 (2014年高学年の読書感想文コンクール課題図書)


 夏休みが終わり、やっと仕事モードに慣れてまいりました。夏休み中は仕事しているよりある意味忙しくなるので、本は全く読めませんでした・・・。

 学校に戻ると、以前読んでみたいな~と思っていた本を見つけたので、家に持ち帰って読んでみたところ、なんと2冊とも小学校6年生の女の子とクラス内のいじめについて書かれた本でした。


 この本を読んでいると、ちょっとむなしい気持ちになります。きっと、ちょっと都会の小学生を設定していると思うのですが、主人公たちは中学受験に向けての勉強が忙しく、親や友達との関係に疲れたりイライラしています。そして、そのいらいらが関係のない一人に向かって「いじめ」という形で発散されていくのです。


 学校にいると、高学年の児童はさすがにちょっと冷めた感じもするけれど、いじめがあるようには授業中の姿を見ていても感じられないのですが・・・。こういった本を読んでいると、大人には見えないところでやっぱりあるのだろうかと心配になってしまいます。


 自分の子供の頃を思い出してみて・・・たしかに、眩しいほど幸せなことばかりではなかったし、今思えば不登校気味の子、グレーゾーンの障害を持つ子がいたり、先生が授業を放棄してしまい学級崩壊になっていたり、先生の体罰ももちろん容認の時代でした。

 でも、クラスでいじめがあったかどうか?これを考えると少なくとも小学校時代はなかったと思うのですが、きっと私が気が付かなかった、あるいは「していた側」だったのかもしれないと、『夜の学校』を読んで思いました・・・。


 『夜の学校』の主人公、加門蘭は勉強もできて自分の意見もズバズバ言える女の子でクラスのリーダー的存在です。いまは来年の冬の中学受験のために塾の勉強が大変で、そのうえ仲の良くない両親、ガミガミうるさい母親にうんざりしている毎日です。学校では大人しくて何も言ってこないクラスメートの雫をなにかといじわるをしてしまいますが、言い返してこない雫も悪いと思っています。

 そんな蘭があるきっかけから、異世界に迷い込み、その学校では蘭が雫にいじめを受けているのでした。

異世界でいじめられる側になってはじめて、いじめられている側の気持ち、いじめる側の気持ちを考えるようになりました。


 『ふたり』はいじめている子たちの心理描写はほとんどなく、ただなんとなくみんなが流れで一人をいじめている様子が怖い気がしました。ただし、いじめを受けている子にある人が「もっと自分たちの未来を信じていいとおもうよ。」というメッセージを残してくれました。

 今いじめにあっている子供たちは、その世界しかないので絶望してしまうと思いますが、大人からすると「もっと世界は広いし、楽しいこともたくさんあるよ。」と教えてあげたいです。


 本を読むことで、自分の世界を広げてほしいと思いました。

『小学生はこれを読め!』 「小学生はこれを読め!」編集委員会/編 北海道新聞社


 今年の夏も、やっぱり暑いですね~。暑くないと自然の摂理としては成り立たなくなってしまいますが、暑さが苦手な私にとっては厳しい季節です。早く涼しくなってくれないかな・・・。


 夏休みに入り、私の仕事もお休みですが、娘たちが家にいますので実際は働いているときよりも忙しい毎日を送っています!

 キャンプやプール・海に連れていくのはもちろんのこと、宿題のマルつけや自由工作のネタ探し、社会科の宿題の素材さがしなど・・・「親がここまで手伝うもんなのか?」と疑問ですが、緊張感のない娘をほっておけず、悩んでいます(泣)。


 そんなわけで、本を読む時間もないのですが、2学期からの参考にと大きな町の本屋に行って前から読みたかった本を買ってきました。それがこの「小学生はこれを読め!」です。これは、ある街の1軒の本屋さんが、子供たちにこんな本を読んでもらいたいという思いから、おすすめ本を自分の本屋に並べたことが始まりで、それが評判となり、「中学生はこれを読め!」「高校生はこれを読め!」「小学生はこれを読め!」が発行されました。

 「小学生はこれを読め!」編集委員会は、道内の学校・図書館・書店などで子供の読書推進活動にかかわるメンバーで構成されており、道内の図書館や札幌市内の学校図書館関係者、書店員らに呼びかけて推薦本リストを作成し、推薦文の取りまとめを行ったそうです。


 この本のいいところは、まず645冊のおすすめ本が低学年・中学年・高学年別にリストアップされていて、推薦文までついていることです。これまで個人や出版社のおすすめ本リストはありましたが、いろんな立場のかたが推薦している本のリストってあまりなかった気がします。

 さらに、道内で読書推進に先進的な活動を行っている剣淵町の絵本の館や、恵庭市の活動、札幌市の学校開放図書館の取り組みなどを紹介しています。


 恵庭市は公立図書館と学校図書館が同じオンラインデータベースにつながっていたり、連携体制がとても整っています。さらに、学校司書が常勤しているだけでなく、読書TTという図書館専門教諭がいるというのも全国的に見ても先駆的な活動だと思います。

 私が司書の勉強をした近大通信教育のスクーリングの先生はこの恵庭市の図書館館長さんだったのですが、いままでの図書館像を打ち破る、いろいろなアイディアを教えてくださった素晴らしい方でした。

 いつか私の町でも恵庭市のような取り組みが進んでいったらいいなと思いながら、仕事をしていきたいです。


 札幌市の学校開放図書館とは、市内の約半数の小学校で放課後地域の住民に小学校図書館を開放するという取り組みです。図書館は市教委から委託された開放司書とボランティアで運営されています。これからどんどん地域と学校の連携が呼びかけられていますので、こういった取り組みも進んでいくのではないかなと思います。

今回はちょっと、まじめで硬いお話です!

学校図書館協議会によりますと、6月20日に「学校図書館法改正案」が可決され、これによって学校司書がはじめて法律上に位置づけられることとなりました。


この法律が作られるまで、学校司書は各自治体の判断で専属専門司書から、複数校かけもち、はては給食の配膳作業とかけもちなんていうものでした。

学校司書はあくまでも、「ながら作業」でできる仕事であり専門性の高い仕事ではないというのが今までの教育委員会の認識でした。

人件費もかかるし、できることならPTAのボランティアに任せられないか・・・というのが本音だと思います。


しかし、今まで現場で一生懸命学校司書として活動してこられた先達の方々や各方面の訴えにより、やっと法律で学校司書というものが認められるようになりました。

まだ、「(配置に)努めなければならない」という文言で、すぐに全校に配置されるとは限らないのですが、それでも学校司書が専門職として認められたことは喜ばしいことだと思います。


私が去年の10月から小学校の学校司書として図書室で働くようになって、自分で言うのもなんですが、明らかに子供たちの読書に対する姿勢が、先生方の図書室で授業をするという姿勢が変わってきたと思います。

それは私が優秀だからではありません。図書館は「成長する有機体」だからなのです。

これは、インドの図書館学者ランガナタンの「図書館学の五原則」の最後の原則です。

図書室はたしかに、無機質な『本』というものがずらーっと並んでいるだけなのですが、そこに人が入り、利用者が必要な情報を求めにやってくることによって、無機質な存在の図書室がまるで生きているように様々な変化をしていくのです。


図書館はただ本があって貸出ができればいいだけではありません。ロボット図書館構想もありますが、きっとお金だけかかって、あまり有意義なものにはならないでしょう。

利用者は本だけではない「何か」を求め、司書はその「何か」に全力で答える。それこそが、「図書館は成長する有機体である。」という原則の意味なのではないでしょうか?