昨日日曜日から復活させた、泊手の形「汪輯(ワンシュウ)」。
沖縄松林流以外の空手家にはどういうものか、今一つ身近ではないと思いますので、少し補足しておきます。

長嶺将真先生自らがやっているYouTubeの動画を、下に再度貼っておきますが、0:30から1:07までが「汪輯(ワンシュウ)」です。
それ以外は、最初が松林流の「アーナンクー」、最後の長い形が「北谷屋良の公相君(クーサンクー)」。



そして「史実と伝統を守る 沖縄の空手道」(1975年刊行)によると、「汪輯(ワンシュウ)」とは

・1683年、冊封使汪輯の残した形を沖縄の達人が改作したものと言われている、古い形である。
・泊方面に残った形で、技の動作は重厚であり、形の長さは中ぐらいである。
・特徴は、隠し拳が二か所にあること。

となっています。
しかし実は、上に貼ったYouTubeの映像の中で、長嶺先生は隠し拳を3回やっているのです。
これって、今まで誰も指摘していないのではないでしょうか?

0:53の振り突きが、まさに1回余分なのです。
他の松林流系空手家は、ほぼ全員が2回しかこの隠し拳をやりません。
そして私も2回で習ったような気が…。
長嶺先生、間違って余分にやってしまったのでしょうか(爆)。

下の映像は、首里手・泊手系松源流の玉城剛さんによる「ワンシュウ」。



そしてこちらは同じく首里手・泊手系の辺土名廣子さんによる「ワンシュウ」。



お二人とも、隠し拳は2回です。

しかしながら、私には案外2回とは思えないところがあって、いろいろ思案した上で、あえて3回やることにしました。
その方が、操作の流れが良いことに気がつきました。

さらにこの「ワンシュウ」。
隠し拳が特徴と言われますが、私からしたらそうではなく、実は泊手にもっとも特徴的な巻き手、そしてその巻き手に続く一拍子の中段カウンターが最大の特徴だと思っています。
現代では、隠し拳などはもはや通用しないと私は考えています。
この隠し拳、袖の長いたっぷりめの着物を着ていた時代の遺産です。
伝統を守って伝えるならそのまま伝える必要がありますが、実際に使えるか使えないか、有効かそうでないかを目安にするならば、その辺は自分なりにアレンジしていくしかないと私は考えています。