語実写テラフォーマーズ | マシュレポ(@ω@)y-゚゚゚

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これは劇場という名の火星から生還せし
ゴキブリによるゴキブリ観察日記








折角なのでメディアごとの
菜々緒ちゃん首ペキシーンを集めてみた




実写「テラフォーマーズ」

君塚悠&橘健一の人気SF漫画を日本映画界のG、三池崇史監が実写映画化。

火星で異常進化を遂げた最凶のゴキブリ
テラフォーマー達を駆除すべく
昆虫のDNAを移植した人類VSGとの壮絶な死闘を描く


すっかり映画上映終了したけども9月にはDVD&BDでリリースされるのだから感想語っても問題ない本作で

ご存知の通り興行収入が大コケの散々な結果だった為予定されていた続編が白紙になったと(続編の予定があったことに正直驚きですが)
同じ体でいえば昔ドカベンの実写でも主演が顔が似てるから素人出して
続編がお蔵入りになった話もありました。


まあ海外からもボロクソらしく
この映画そのものが害虫扱いされて
監督が日本映画界のマイケルベイこと

三池崇史大監督なだけに当たりもあるけど外れもあるよでいずれにせよインパクトを与えてるのは事実だし
ネットニュースとかで「2ちゃんねるにて炎上!三池崇史、監督生命絶たれる」みたいな記事が出ておりますが

三池映画に限らずどの作品に対しても
似たような事言い合ってる場だしそもそも論で三池さん含め作り手達も多分本作の事既に忘れて「G」のことより土竜の方へと次なる繁殖活動始めてますがね

興行収入散々だから百人でよってたかって一人を足蹴りしてる現状に対し当の監督は

ですが何か?

精神でほくそ笑んでる事でしょう。


多くの原作ファンが何だかんだ言いつつ
実写という名の火星に足を踏み入れそれぞれが抱いてるであろう原作の世界観やキャラクターのイメージが冒頭でテラフォーマーに首をへし折られた秋田菜々緒の如く
皆の思い入れがむざむざとへし折られ

なっ何してんだテメェっ!!

と小吉の如く原作ファンが憤り
三池崇史という名のテラフォーマーにより
ネット炎上というA.Eエイリアンエンジンウイルスによるアウトブレイクが発生  
 




恐らく皆が抱いてるであろう
実写企画した作り手のイメージ↑


世間的にも失敗作前提なのは言わずもがななので
アメブロ界のゴキブリの私にとっては逆にハードル低めな気持ちで劇場に足を運べました。観に行った6月の時点で正直客数える程にしか収まってませんでしたし
見終える頃には何だよチクショウや世間 的な先入観に便乗して三池崇史に戦争仕掛けるしかねえわなどと思いながら映画鑑賞したら…すんません


言われるほど悪くなかった



えっ?当たり屋ならぬ汚物は消毒だー!!的気持ちで赴いたのに怒りは感じなかった
むしろコレはこれでアリで合格じゃない?

といいたくなるぐらい

つまらないって簡単に痰を吐き捨てられる様な作品ではないとだけ先に述べておきます。

まず今回の実写版は
原作一巻収録の実質プロローグ
バグズ二号編をベースに造られ

鑑賞後に原作読んでみて勿論
「原作超面白ェっ!」って思った分
原作の世界観を実写に置き換えるに至って色々説得力を持たせる工夫や補強されてるなと努力したところが何カ所かあり

まず最初の冒頭で2599年の近未来の日本から始まる実写オリジナルのくだり

原作の時点ではまだ現代の日本と変わらないごく普通の街から人類増加による設定の
説得力を持たせる為に凄く眩しい貧民街となって資源が枯渇してるという理屈で虫を料理にして食べており

街の背景に

「ぢ」と書かれたあからさまに卑猥な看板が大写しとなってるので三池印の単なる
悪ふざけともとれますが

この虫を食べてるくだり観て思ったのが
最近あまり話題にふれられなくなった

食料危機問題
日頃我々が当たり前の様に食べてる肉や魚野菜などがいつかなくなってしまったら
嫌でも虫を食べなくちゃいけない日が来る

というすっかり忘れ去られた現実の将来を連想したから多分明らかに入れてるのでは


原作でも虫を食べるシーンはありますがよりクローズアップさせてるので
人類がこの先生き延びるには火星を新たな移住地にするしかない動機の説得力を強めてるのでこれは良い改変だと思いました。



そういった近未来で伊藤英明さん演じる小吉と武井咲さん演じる秋田菜々緒の二人が
追われの身になって警察に捕まる追加シーンも原作で実質殺人を犯してる二人が火星に送られる理屈として原作よりも運命的に感じたし本多博士が遠くから眺めてるくだりや

特に小吉が足下に居るゴキブリを踏み潰すシーンが後に遭遇するテラフォーマーとの対比だけでなく原作の根幹にも繋がりうる重要な場面だと捉えました。
この部分は終盤にも大きく関わってきます


しかしそこに映し出されるお巡りさんの格好とか中途半端にふざけてる感があるのはさすがに萎えたのも事実ですが(^_^;



本作のテラフォーマー実写版
日本映画なので原作で外国人の乗組員が本作ではゴッドリー以外全員日本人の別人となっており

それに伴い全員中身の性格、設定等
原作ベースながら人間関係等も差異があり
元が全員眩しくて金がない集まりでしたが実写版だと全員火星に送られても誰も気にしない様な犯罪歴があるので

これは正直原作ファンならこの改変に怒ってもしょうがないし後で原作読んだ自分 も戸惑いはありましたが

テラフォーマーの魅力といえば何も
ゴキブリとのバトルだけでなくそこで展開される人間ドラマが本作の魅力であり

要は何故彼等が火星に行く事になったのかを間に回想もしくは台詞で説明してくれるのでこれみてるの

あっこの人も苦労したんだなぁや
と同情させる分

後からの過酷な運命や顛末への悲劇性を
挙げてるので確かにこの本質のは1つが
犠牲になってるところはあったが
だからといって全て消した訳ではないし
逆に全員分の回想入るようであれば
説明的になったりあざとく見えてしまう
映画的なテンポを止める原因になりかねないのでここはしょうがない気がします。


設定そのものが変わる例は
仮面ライダー龍騎の海外版ドラゴンナイトでも既にやってた訳でこの改変点は
人間でありながらゴキブリ並のクズとなり引き返せない者同士だからこそ危険な人世の賭けに出るこの設定は

プレデターズの設定を意識してる事は明らかでそのなかで暗躍する原作でも重要人物

小栗旬演じる本多博士は名前や役割こそ
原作通りですが奇抜なルックスといい性格がマッドサイエンティストなそれで

本多博士というより原作の
アレクサンドル グスタフ ニュートンと
第二部の黒幕(ネタバレになるので伏せときます)を二つに一つに割った様な感じ
もしくはバイオハザードのアルバートウェスカーとウィリアムバーキンを二つに割った要なキャラですねハッキリ言って

どちらかというと今回の補佐的な新キャラの女科学者が原作の役割を担ってて

昔のシャンゼリオンを彷彿とさせる
おどけポーズやホログラムで肩に乗って突然現れる等妖しさ満点演技で


これは三池印の怪演キャラで小栗旬のルックスなら原作通りにしても問題なかったのにこの髪型とか酷いことするなあ監督と思いながらも案外ハマり役でした。
(小栗旬変な役以外と多い気がします本人が万足してるのならばよし)


そして実質本番の火星で
待ちに待ったゴキブリことテラフォーマーとのファーストコンタクト

予告の編集でもどうかと思ってた
悪ふざけテロップ思い出したりこの後武井咲の首強制イナバウアーになるんだなぁとか恐怖半減してるのは事実でしたが

原作ウリである瞬間移動してからの
テラフォーマー名物首ペキッ

ちゃんと骨鳴ってましたからね
ああいう生々しさ等実写ならではですが惜しいのは予告でも明らかな構図ですね。

まず武井咲ちゃんの首が有り得ない方向に曲がってるようハッキリ描いてほしかったところで首折られてるはずなのにカメラのアングルで真後ろになので首折られてるというより立ったままイナバウアーしてるだけに見え

原作やアニメのova版同様に首が横向きに捻られてるのをはっきり見せてほしかったしこの後にどアップで首の皮だけに
繋がってブラーンブラーンと倒れていく
悪趣味な感じに見せてほしかったのと

せっかくテラフォーマーが瞬間移動したのならば手前でやってた様に伊藤英明さんの
片手上げたまま棒立させてほしかったですがova版で言ってくれなかった小吉の名言

「な…何してんだてめえッ!!」

のお約束を映像化してくれたのは
嬉しかったです。 
 

まあ劇中のシンボルであるゴキちゃんこと
テラフォーマーの造形は実写用にリファインされてると感じ

原作はムキムキの全身黒光りな原始人的な見た目から今回はテカテカ感のない皮膚で火星という環境に暮らしてきてる体で
皮膚が乾いてゴキブリの別名である油虫の如くギトギト感さえある質感で現実に居たら絶対触りたくなさやお腹や太もも等よく見ると元のゴキブリの名残を原作より色濃く残し特徴的だった鳥山明調のギョロ目部分は黒目大きくして白目が見えにくくなっててる宇宙人ぽさを強調してたり等よりグロテスクなはっきり言って

気色悪!(゜Д゜;)感満載

現実にゴキブリみた時の生理的拒否反応を
表現してる辺りこのデザインは逆に好きでありこのバージョンのフィギュアとか出ないかなとか思ったり


因みにネットニュースで
「黒人差別だ!」とか言われてるけど
確かにそれは原作元々の問題ですがむしろ
実写版はその弱点を補強修正してるんじゃないですかねえ?

むしろ昆虫感が強調されてるデザインなので敢えて言いたい

それでも貴方はアレが黒人に見えるの?と  

どこらへんがで
私から言わせればそう思って指摘する方が逆に人種差別的だと言いたい

なので原作の弱点補強という意味では今回の実写仕様のテラフォーマーの造形は原作の問題点を修正しておりここまでして文句って何が悪いの?と擁護しますが昆虫感を強めたいのでしょうが

パンチパーマは残して欲しかったなぁ(^_^;

というのも今回全身リアリティ重視に
生のゴキブリと同じ色と全員頭ツルツルなので後にボス的存在である一番好きな

スキンヘッド型テラフォーマーとの見分けが困難となっており一応仕草や額の紋章で解るようにはなってますが演出の問題も
相まって

どれがスキンヘッド型なのか分かり難くなってしまってるのでこれは正直今回実写化するに至って重要な部分が適合出来ずにいるのは残念でした…


因みにモーションアクターに「自分でやった方が早いから」と三池監督自らがゴキブリの動きつけて監督自らが担当するので
言えばインクレディブルじゃない方の黒歴史となったハルク以来ですが

土竜の唄PART2等次回作のスケジュール控えてるのでそれは解るし
ゴキブリのカサコソ感や無機質感等表現されてはいますが問題なのは

いくらなんでもモッサリしすぎてる感が…


漫画やアニメで観たようなテラフォーマーの冷徹な怖さが感じられないのと
特に後からCGで合成して大量に増やしたからなのでしょうがよく観るとドラゴンボール復活F以来に処理落ちしてるなあと感じて微妙に作り物感が

処理落ちといえばアニメ版でもありましたがあれはまあ集団で歩いてるので
テラフォーマーといえば歩く時は鈍いけど戦闘となると早く機敏に動くので

今回実写化を考えるのならば
集団テラフォーマー場面は今までの
三池映画での集団戦でやったように 
ケチらず集団のモーションアクターさんに指導して動き付けてほしかったです。



原作でも見所の
テラフォーマー達の襲撃シーンですね

ケインコスギ演じるゴッドリーVSGとの
バトル!!…という程でもなくあっさり
リーさんヤラレちゃってからの艦内襲撃の原作でもある流れ

昔筋肉番付で好きだったケインコスギ演じるゴッドリーさんはハッキリ格好良い!
唯一残った原作の外国メンバーなだけに
敢えて髭面等原作よりベテラン感が挙がってる分呆気なくヤラレちゃうのは原作通りですが

原作でサラッと退場するメンバーは今回ちゃんと役割を与えられフォローされてるんですがケイン版ゴッドリーさんだけが扱いが原作通りなだけに鉄拳の実写版以来の勿体なさでしたね


折角ミイデラゴミムシという昔トリビアでネタになった程の昆虫を使ってるのならばアレが見たかったですね


ミイデラゴミムシのガスの発射口はオケツ
つまりオナラで天敵を撃退するんですね

だから折角ミイデラゴミムシの特性を活かすのであれば最初ハイドロキノンが
効かないくだりはまず原作通りになぞり
オリジナル改変に


「チッ面白ェ…!!ならコイツはどうだぁ」

とケインコスギが更に注射を追加してからズボン下ろしてお尻をテラフォーマーに向けて必殺のガス噴射ァ!

今度こそやったぁ!と思わせておいて
瞬間移動したテラフォーマーがケインリーのお尻の穴に両手で突っ込みカメラ目線にリーさんどアップ「アアアア(゜◇゜)ッ!!」からのお尻パカァッと真っ二つに全身引き裂いてほしかったです

これはsaw the finalの逆トラバサミのお口パカァッを逆手にとった提案です。
(自分でも何言ってんだ)


それと今回フォローされてる能力は
ニジイロクワガタとクロカタゾウムシで

元だと能力者に恵まれずにミスリード用にテラフォーマーの餌食となってしまった原作のマリアとジャイナに該当する二人の女性がバイクで走ってる時に遭遇する
テラフォーマー達の群れによる大洪水から船を守る為に

防御専門の昆虫ならではのWガードのシーンがフォローされてるだけでなく武双的な夢のタッグシーンだと思ったし

特に今回この実写様に入れてある
テラフォーマーの群れによる大洪水が一番映画的に一番興奮したシーンでこれはゴキブリならではのウジャウジャ感が最大限に活かされこの頃まだボスがいてない原始人レベルの知能と考えるとテラフォーマーことゴキブリならやりかねない場面で

こち亀で両さんがゴキブリ育てる回で
寮がゴキブリまみれになるあのオチ以来で
ここは笑いました。酷すぎて(^_^;

ただこの演出アイディアが映画的に活かされてるかと言われるとかなり惜しいシーンで

このゴキブリ洪水シーンにWシールドで
突っ切る場面なんですが

乗り物と洪水の規模を考えると
ガードしても意味がないことになってて

守ってるのは実質屋根部分だけ

ゴキブリ洪水も同じ事を二回繰り返してるだけという昔インディジョーンズでも滝に二回落ちるという似た繰り返しがありましたがアレはハラハラしてして楽しめたので


まず最初にゴキブリ洪水の規模ふつうに
シールドで突っ切れるぐらいのレベルにしてから次の第二派はさっきと比べ物にならないぐらいの巨大にするべきで

映画ではゴキブリに振り落とされてから原作通り大量に薄い本的に餌食にされるのですがここはせめてガードで突っ切ようとしたらテラフォーマーが彼女達に掴み掛かり
全身もぎ取られていき後でなんとか突っ切ったぞ!と小吉が3人に声かけようとしたら無残な肉片になって

「あのスピードで掴みかかったというのか」

原作のお約束もやってほしかったですねそうしたらこの映画オリジナルのアイディアを最大限活かせられたのに非常に勿体ない気がします。


改変として原作より説得力があるのは
仲間だと思ったら実はスパイだった
原作のヴィクトリアウッド該当の
菊地凛子さんがテラフォーマーの軍団に襲われ死んだと思ったら後でテラフォーマーの皮被って登場するこのアレンジは良くて

原作の突っ込みとしてスパイの役割を与えられてる割りにはウッドは顔見せてくれないので彼女の登場シーンがやや唐突な感じだったので

最初に死んだと思わせておいてから
生きてたしかも裏切り者だったと原作の
良い補強になってると感じましたが

演出上「藤子ちゃ~ん」とルパン的に
ダイビングするテラフォーマー等間抜けに見えてしまうのと

腹黒いだけの薄っぺらなキャラに成り下がってる感があり
原作では台詞ながらも貧しい故に苦労してる同情できる部分が今回なくなってるので共感できずスキンヘッド型にやられてもざまぁ的なだけになってるのが残念なのと

何より菊地凛子さんの髪型が酷すぎて
そもそも原作似ても似つかないどころか
その気すらない程の嫌がらせで
原作のウッドはワイルドながら可愛らしい容姿なだけにバグズ二号編後で読んだ時に一番好きなキャラなだけにコレはないな感想で

前の実写の逆転裁判の真宵ちゃんの髪型以来に前髪少な過ぎ等三池さん女性に対し悪意的なのを必ず入れてきますな

しかしバグズ二号編の実質ラスボスたる
スキンヘッド型テラフォーマーニ体
原作でもそうですが卵とかは完全に
エイリアンで

さっき述べたノーマル型も同じく
スキンヘッドなので額の紋章をもう少し大きめにするか額に限らず身体にも入れ墨的に工夫して欲しかった等実写アレンジが
ここに来て裏目に出ておりますが

誕生した際の「ジョーッ!!!」の叫び声等
ova版同様良いゲテモノボイスだったり
原作では墜落したバグズ二号の艦内でそれぞれタイマン勝負するのですが

伊藤英明と原作でのティンに当たる
山下智久対スキンヘッド型が屋外にてニ対ニのラストバトル(原作で明明該当の小池栄子首チョンパなので外す)の展開は

悪くはないのですがヨシヒコお馴染み山田孝之さん版蛭間一郎の存在感が減ってたり
映画全体先頭描写やたらアップに頼ってる印象で盛り上げに欠けたり等難色はありますが

今回スキンヘッド型とのラストバトルで
二カ所良い改変点があって原作の根幹にも繋がりうるアレンジで

一つは
片方のスキンヘッドが原作と違い片割れの目の前で首チョンパされて死んだ際
片割れスキンヘッドが悲しそうな顔して戸惑う描写があり

無機質なテラフォーマーらしくないと一見思いますがコレはスキンヘッド型が他の個体と違い明らかに喜怒哀楽の感情があり
原作では不気味な笑みだったのでこの表情見せた時の意外性と

もう一つは原作では満身創痍ながらも
スキンヘッドを窓から叩き落として状況的に止めさす場合ではない小吉でしたが
実写版はあと一歩の所でスキンヘッド型を
追い詰めとどめを刺そうとする小吉が躊躇ってとどめを刺すのを辞める


この二つのアレンジの意味を考察すれば
テラフォーマーズという作品の根幹を表し

要はゴキブリだから+仲間を殺された仇討ちと二つの要素だけで話が進められてきましたが


本当に悪はどちらか?

人間が害虫とゴキブリを嫌う様にテラフォーマー側からすれば人間も害虫同然で

実験で火星に送られ人間から忌み嫌われてきたゴキブリ達にとって火星は唯一手にした故郷で彼等なりに平和に暮らしてきたのに用済みだからと駆除目的にやってきた人類をテラフォーマー達にはどう見えたか?

小吉達には悪意はなかったとはいえテラフォーマー側からすれば人間達は自分達の生活圏を脅かす外敵に映ったのならそれでも彼等を凶悪と呼べるのか?

見方を変えると実は人間側が侵略者で
テラフォーマー達は防衛本能的に
故郷を守るいわば集団的自衛権を発動していたに過ぎず

スキンヘッドが片割れの死に嘆くシーンは昔地底ホラー「ディセント」で






地底人のメスが殺されたオスの死に悲しそうな声を挙げていた様に

見方を変えれば被害者だと思っていた人間側は勝手に足を踏み入れてる加害者でもあると考察させ原作の第三部舞台が火星から地球に移ってるあたり原作が最終的に描こうとしてる部分は恐らくそういうことだと思い

要は本当の支配者は誰か?原作の
根幹を示してる問題や疑問を匂わせるという意味では理想の改変で

特に止め刺すのを辞めるくだりは冒頭の
ゴキブリ潰す対になってると思いました。(そこに至るまで何十匹テラフォーマー殺して来たんだよと思ったのも事実です(^_^;)


このアレンジがあるかないかで自分の中の評価は大きく違う重要シーンだと確信して作り手からハッキリ

ゴキブリ愛

を感じました。そこは良かったです。


ただこの実写用のアイディアは本当に良いんですがやはり映画全体それが活かされて
映画的に面白いかと言われれば
三池崇史作品なだけにガッカリさせられる部分もあるわけで

原作の見所の変身シーンで
もう前回も述べたようにやってることは
仮面ライダーの変身シーンなのは明らかで
変身ベルトを注射に置き換えてるだけですが注射刺して目がアップになってからの

変身ベースの昆虫の説明を
赤い彗星お馴染み池田秀一さんが解説し
池田さんなのは世界観的にガンダムぽい
SFのお約束で

この変身過程場面ごとにタメがあるので
好きな方で(黒歴史扱いの仮面ライダーファーストも変身シーンタメてほしかったところ)すが
一番酷いのは三池印の悪ふざけによる
変身後の姿ですね。

コスプレだと批判がありますが問題はそこではないキモさで。

原作ではベースの生物の特徴は基本触覚程度で人間的見た目を失ってないので
格好良い見た目だったのに対し

実写版はより人間に昆虫を無理矢理
混じり合わせた様なグロテスクな見た目に
なってこれは昔ビーストウォーズリターンズの変身以来のショックシーンでした。

特に山田孝之の蛭間一郎の変身後のグロさはストシリーズのブランカとダルシムを
ごちゃ混ぜした様なゲテモノ感なのと

やはり原作で大和魂を見せたティンこと
山下智久が注射を過剰摂取し強さと引き替えにどんどん昆虫じみた容姿に変貌していく姿は「生ガンダム」的グロさ






個人的にフォローが効いてるけどもなのは
武井咲の秋田菜々緒で

主人公の幼なじみでありながらテラフォーマーによる犠牲者第一号で

原作・アニメ・スピンオフ・今回の実写

メディアそれぞれ秋田菜々緒といえば
首ペキ要員で後にテラフォーマーに遺体回収されてはテラフォーマー達にはぎ取られる等正に悲劇のヒロインでしたが

今回ラストに大きな役割フォローが与えられて主人公達を救出するためにまさかの
一時的に復活

コレ良いアレンジと思った分
やはり変身後のカイコガデザインですね。
仮面ライダーの蜂女をよりグロくした感じで原作ではいきだし死んでしまい
昆虫形態未登場だったので実写のラストでテラフォーマーの軍団から小吉を助ける為に自爆するのはフォローとしては良いし
だからと言って末路を変えてはいない法則を守ってるんだからせめてもう少し
神々しい女神的な見た目に出来なかったのかなあとか思ったり。

あと全体的に演出がチープ過ぎるのは
致命的で今2016年現代の技術を考えると
いくらなんでも安っぽ過ぎて

ハッキリ言うとTSUTAYAレンタルの
B級並みの見た目が本作のネックで
他のメディアとの比較でどうしても見劣り感が否めない

あと日本映画で陥りがちの
説明的長台詞、バグズ二号にテラフォーマーが群がる場面で作戦会議をするくだり漫画だから時間はあまり経ってないからセーフなんですが実写となると擁護仕切れず

その間テラフォーマーは外で張り付いたまま待ってくれてるのか?と想像させたりするのはアウト
何故ならそんなお約束テラフォーマー達に通じないのでせめてもう少し短く
必要最低現にまとめてほしかったところと

一番大きな問題でこの映画で足りないのは

グロ

ことテラフォーマー達のえげつなさ
同時に三池印特有のバイオレンスで

首ペキ、首チョンパ等スプラッタ感は
一応あるのはありますが原作と比較+今までの三池作品のバイオレンス感と比べると淡白でかなり物足りない感じで 

三池映画で挑戦作だった「殺し屋1」で
これでもかと披露して見せたモータルコンバットの究極真拳のフェイタリティ感は
今回あまり感じられず

マイケルベイのトランスフォーマーシリーズ同様ぶっ飛んだスプラッタが見たかったところで

例えばテラフォーマー名物、人体が豆腐の容量で弾け飛んだり脊髄引っこ抜いてそのまま武器にするようなお約束を披露してほしかった

テラフォーマーズの実写映画で一番期待していた部分なだけにこれは非常に残念。


そして最大の不満点はここだけは入れておくべきであろうお約束がなく第一巻の最後で日常の家にゴキブリだと思ったらテラフォーマーだったあのページめくった際の大ゴマショックシーンをエンドロール後に入れるべき






コレ↑

コレ入れてくれないと駄目でしょう!!

まとめ 

評判で言われている通り演出がいくらなんでもチープ過ぎるのと悪ふざけやバイオレンス等全体的に中途半端感は否めませんしガッカリしたのは確かにあります

しかしアイディアや原作補強してる努力があるのは事実であり傑作になり損ねましたがだからと言って全くつまんない訳ではないし

何より実写龍が如くの様ないい加減なオチにはしておらずまともに着地させようとしてる所は良かったので

本作三池崇史×テラフォーマーズの組み合わせ的には悪くなかった筈でもっと時間をかけてシナリオや構成演出等もうすこし
捻りをきかせれば違う結果にはなっていた
気がします。



とはいえ本作一番観て良かったのは
原作本格的に読むきっかけになってるので
そういう意味では本作どうしても嫌いになれませんので結論的に惜しい映画だったということだけは覆りません。


9月予定のDVD&BD版で改めて原作と比較し情報修正にうってつけの機会だと思うのでチェックしてみるのもアリだとは思います。


お勧め度☆☆☆