語 キャリー | マシュレポ(@ω@)y-゚゚゚

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「letitgoを思い出しながら鑑賞」

キャリー




(あまり直視するのが躊躇われるんですが…)

1976年のサイコホラーの名作キャリーをリメイクした本作主演のキャリーを演じるのはクロエ・グレース

あらすじ

学校で目立たない存在であるキャリーは
ある日シャワーで生理を経験したことをきっかけに虐められる。そんな彼女に同情するスーは彼女をプロムに参加させようとするが一方キャリーに逆恨みするクリスは彼女に罠を仕掛ける 

本作を語る前にまず
1976年のオリジナル版キャリーを語ります

オリジナル版は最初のバレーボールのくだりとか結構普通の学園ものの印象から始まってからのくだりがエロくてそこからシャワーシーン等エロさからのキャリーが生理を経験してパニックになったのをきっかけに
周囲から笑われて酷く虐められることになる

何故そこまでパニックになったかキャリーの母がキリストに狂信的な人物で罪だから娘に生理を教えてなかったからで、ある日キャリーにイケメンからプロムに誘われ自分を変えるチャンスだ!と誘いに乗るがそれは非道い罠でキャリーはまんまとはまるんですが
ここからが見所でキャリーには超能力が使えるという設定で

一言でいうと虐められた女の子が超能力で
let it go レディゴー!する話
このシーンが映画史を更新した有名な場面で観てるコチラは目が釘付けになっちゃいました。例えるなら
ダークナイトのジョーカーが警察署からパトカーに乗って風を浴びてるアレ以来の釘付け
キャリー役のシシー・スペイセクの血みどろで目ん玉カッて見開くあの演技やそこから起こる大惨劇はファイナルディスティネーションを思い起こさせそしてキャリーという少女が辿る事になる末路の切なさとそしてラストに現れるアレとか最後は悲しい話なんだなという所でくる不意打ちにはさすがに声を挙げました


当時のキャリーを演じたシシーは本当に目立たない内気で根暗な子ってだけでなく本当に
恐ろしい顔つきが印象のキャストで映画評論家町山智弘さんが言ってた様に本当に骸骨的風貌


テーマとしては地獄少女や魔法少女まどかマギカの原形になったのではないかという要はこの映画が後のホラー映画史に影響を与えた屈指の名作である(因みに続編にキャリー2がありますがこちらは未観)


そのキャリーをリメイクした本作

ホラー映画のリメイクといえば昔マイケルベイによるリメイク版13日の金曜日、エルム街の悪夢、テキサスチェーンソウ等がありどれも当時の怖さを思い出させようという心意気を感じる名作でした(この悪影響が以降の実写トランスフォーマーに反映したのか不明)

本作のクロエグレースが主演するリメイク版キャリーですが
感想を先に要約するとオリジナルへのリスペクトは感じられる作りでオリジナルでは印象が薄かった人間関係等を補完しもっと深く描こうとしている心意気は感じられる作りですが肝心のクライマックスがオリジナルより弱くなってるんじゃないかと感じました。(これは後程述べさせて頂きます)




まず始まりオリジナルでは何気ない日常学園物みたいな始まりでしたリメイク版では
キャリーが誕生の瞬間から物語が始まります

これはリメイクホラー物でもよく描かれる
怪物誕生場面ですがベッドの上でもがき苦しみながら一人で娘を出産する母は産まれたばかりのキャリーを悪魔と称して殺そうとするが殺せず娘を育てると決意する

この描写から漂う異常さは後にキャリーが何故超能力が使えるのかオリジナルよりちょっと説得力が伝わるのと元では狂信的だけだった母親も娘に複雑だけど人間的感情も持ってるように感じる場面からの不吉にドクッドクッと心臓音から血文字でタイトルが出てくるシーンは何か
恐ろしいことが起こるぞと予感させる始まり方(この始まり方は一番好き)

虐め描写も時代に合わせてるからかキャリーがパニックになる様をいじめっ子達が携帯で動画を撮るというオリジナルより悪質さが増してるのとこれが後のクライマックスへの伏線となる

今回オリジナルよりキャリーと例の狂信的な母との親子関係がオープニングからオリジナルより深く描かれてる点がポイントで今回娘を迎えに来て元同様狂信的なんだけどキャリーには複雑ながらも娘としての感情を抱いてる部分もあり同時に娘のキャリーがだんだん自分の元から離れていくんじゃないかという不安と懸念等
精神的に不安定な部分もオリジナルより強くなり怖く見えるんです

キャリーママは仕立て屋でキャリーの先生との会話では表面上は落ち着いてるんだけど針で自分の太ももに刺す等狂気的一面を垣間見せ娘が何か良からぬことをしでかすのではないかと包丁を隠しながら部屋にあがってくる
あの見せ方とかも本作のテーマに合っているしオリジナルより良いなと感じたのはプロムへ行こうとするキャリーを止めようとする姿は歪んでても娘を心配する独りの母親でそこから壁に頭を打ちつける姿とかより心身不安定な印象でキャリーがそんな母親を見ていられないから
超能力で部屋に閉じ込める描写は前半キャリーを部屋に閉じ込める対にもなっててオリジナルでは超能力でベッドで二、三回寝かせる絵面は笑ってしまいましたがこの改変のいいところは終盤にキャリーを悪魔と確信する直接的動機としてはオリジナルより説得力が強かったです。



他にもオリジナルの悪役であるクリスと唯一キャリーに同情しているスーの二人

オリジナルだと二人とも髪型が被るから同一人物に見えてしまいましたが今作では髪型が分別されてるのは誤解せずに観れて○

リメイク版のクリスは元同様悪い彼氏と組んでキャリーに罠を仕掛けるために豚を殺す場面で彼氏が容赦なく豚を笑いながら殺すとクリスは引くんですしかし彼氏に強要されて豚にとどめを刺す際クリス自身も楽しそうに笑うというオリジナルとの違いはいじめという悪意が度を超えて狂気に変貌する人間が持つダークサイドが目覚める瞬間も本作のテーマに合ってるしクライマックスの制裁がより強まって同情の余地のない悪役に仕上がってる感じも良かったです。(豚には同情するけど)

あとキャリー役のクロエ・グレースは本作ではかなり頑張ってる方で最初不安もあったんですそれはキャリーに適役かどうか

オリジナルのキャリー役シシー・スペイセクは本当にこの役をやるために生まれてきた風貌だからキャリーのインパクトが強かったわけで
クロエ・グレースは容姿がハッキリ可愛いのでキャリーと食い合わせどうなのかな?と印象強しでしたが評判よりも序盤のクロエの容姿は髪ボサボサの暗い感じが出て結構はまり役と感じる訳ですが後半からプロムへ行く準備をしている姿はキャリーといより普段のクロエちゃん本人なんですよね。やっぱり可愛いんですよ クライマックスでは怖かったシシースペイセク版キャリーと比べて



まあ今回オリジナルへの敬意を込め本作のテーマに合わせて他のキャラの描写を深くしたのは良くて元と比較して感じたテーマは

喜怒哀楽と感情の生き物である
人の心は豊かだが同時にガラスのように脆く
負の感情により追い詰められたりすると思いがけない行動をし暴走した挙げ句破滅していく

このリメイク版でキャリー以外に深く描かれる
母親の不安定さはやがて殺意に、いじめっ子クリスの逆恨みも度を越えたやり方を見て恐ろしくなるも楽しみ狂気に目覚めるダークサイドに墜ちていき悲惨な末路を迎えていく

ラストでスーが語る通り
「追い詰められると人の心は壊れてしまう」
この台詞からも人間が誰もが持つ闇の部分が
ちょっとしたきっかけで爆発するというメタ構造も感じる造りでした。

…なのに!
今回肝心のクライマックスが元より弱くなってる様に感じたのは事実

これはどういうことかというと
オリジナルでも出てくるキャリーをプロムへ誘うトミーの描写がオリジナルと比べて弱くなってて親友のスーに頼まれてキャリーとペアを組むんですがオリジナルではその手前に教室でキャリーが結果的にトミーに助け舟を出すくだりがありアレがあったからこそ内気だけど外見だけではないキャリーの中身の魅力に気づいて

プロムでの「どうして私を誘ったの?」
「教室で助けてくれたろ?」の台詞が活きるんですが今回だとそのくだりがなくなってるから
何か最後まで表面上の付き合いにだけしか見えないのとキャリーに同情するスーもオリジナルと比べ出番は増えてるにもかかわらずいじめっ子に連れられて一緒にキャリーをいじめたことに反省するって言っているがそれなら尚更キャリーに謝らなきゃいけないよね?

_<)

あと肝心のクライマックス豚の血を浴びる場面ですがオリジナルであったタメが今回なくなってるのは残念、バケツが引っ掛かる部分があるけどそれならもっとタメて観てるコチラに
アブなーいキャリー逃げてー!!ってハラハラさせる見せ方にしないとタメが来る前にもうドバシャーン!!になってしかもここ

オリジナルでは浴びる前にカメラを三カットぐらい分けて繰り返しスローにしてたからハラハラしたのにリメイク版だと浴びた後にカット分けして繰り返してるよね?

あのねこの見せ方は
 お笑いのコントです。

これだと観てるこちらにも血をかけられた
キャリーの事を笑ってくださーい…てなっててオリジナルの空いた口が塞がらない見せ方が弱まっちゃってるんですよ笑わせてどうすんだ?!って

これオリジナルにもあるトミーの頭に空のバケツが落っこちるシーン元だとそのまま気絶したような見せ方なのに今回だと死んでしまってるんです。てか何これ?彼氏が死んだことにたいするキャリーの絶望を描きたかったんでしょうが死に様が間抜け過ぎて不謹慎ながら笑ってしまいました。

ここからのキャリーの超能力でレディゴーする場面キャリーの血まみれ姿は怖くて片目にも血がかかって赤くなってて怖くて良いんですが
オリジナルの血をかけられて母の言葉がフラッシュバックして溜めてた感情を爆発する瞬間が良かったのに今回のクロエ版キャリーは
怒りよりも明らかに楽しそうに超能力披露しちゃってますからね
でもオリジナルでは周囲を全て敵と認識して味方であった先生をも殺したんですが今回先生だけ殺さず安全な場所に誘導してる部分も良かったし
今回の元凶であるクリスとのたいけつシーン
ここがやりたかったんでしょというオリジナルと比べてダイナミックな見せ方で超能力で車を圧迫したりガソリンスタンドに突っ込んでから乗ってるクリススローでガラスドンっ!!
からの…ドッガーーーーーーーン!!
完全ファイナルディスティネーションでした
 

それから我に帰るんですが早すぎ!オリジナルでは心ここにあらずの状態で家に戻るのが良かったのに「ママー」って叫ぶ姿はキャリーではなくクロエ・グロース本人やん!

あとオリジナルでは家にロウソクを並べる不吉感があったけど今回ではロウソクなし

キャリーママとの親子バトルの決着の
たくさんのナイフが直前で止まってから刺さるのは完全ジョジョでしたからね






ラストのスーが法廷の証言で幕を引くんですが
これならいっそスーの視点からキャリーを描いても良かった気が…
あとオリジナルで声を挙げたラストが今回ないのが残念でせめてキャリーの墓に暴言を書きに来た奴が地面から現れるキャリーに引きずり込まれるラストなら良かった

あと不安を述べるならオリジナルのあの

キュッて擬音が今回入ってないのが×

あと最大限不安を述べるなら…

オリジナル同様キャリーのシャワーシーンがあるんですがここの部分…

もっと魅せるべきでしょう!!o(`ω´*)o

キャリー役にクロエグレースをキャスティングしたのなら一番楽しみのはずのシャワーシーンがオリジナルでは結構ギリギリぎりぎり
ぎりっギリッGiri
魅せてたのに今回淡泊なんです
クロエちゃんのシャワーシーンがもっと観れると期待したのにほんの数秒でわぁっ!(;゚д゚)は

ガッカリでしょ?
せめてここをもっと丹念に描いてくれたら
星五つ星つけても良かったのにホント!!



まとめると
オリジナルをもっと深く描こうと補完するというオリジナルへのリスペクトは感じられたし
キャリー演じるクロエちゃんも頑張ってた方ですが前半は丹念に描いてるにも関わらず肝心のクライマックスが弱くなってしまってる感が否めないのが残念で今回人のダークサイドの側面を描いてる一方オリジナルでの人間には悪いだけでなく良いところだってあるんだという部分がごっそり削られてるのは一番残念でアレがあるからこそキャリーの絶望がより切ないのに

でもクロエちゃん演じるキャリーの演技力はやはり見所だし何よりオリジナルよりはっきり殺されちゃう豚ちゃんに同情できるのが正しい観賞方ですね(^_^)ノ


結論

「オリジナルとリメイク版両方見比べやっぱりオリジナルの方が名作。」

オススメ度
☆☆☆