「貞子3D2」

前作から五年後を描く貞子3Dの続編
茜と安藤の娘凪を世話する安藤楓子の身の回りに起こる不吉な出来事
そして再び襲いかかる呪いの動画
続編がレンタルされてましたが
前作の貞子3Dはお薦めできないと酷評しました。
あんなにオリジナルへのリスペクトがないのは珍作で何より最後の台詞が制作者側の「こんなもんでしょ?だって作り話なんだから」とメッセージしか伝わらないハッキリいって
ホラー映画として話にならないとしか言いようがありませんでした。
見所といえるのは主人公を演じる石原さとみの顔に物凄い力を入れた発狂演技と黒幕山本祐典の面白い顔芸
その後ハリウッド版のザリングを鑑賞したら
コッチの方がオリジナルリングに近いと感じた
なので続編でまたひどい目遭うんだったら
当たり屋的に観てやろうじゃないかの気持ちで
貞子3D2レンタルで鑑賞すると
…あれ?想像してたより悪くない?
今回はちゃんとしたホラー映画になってる作りになっている(゜ロ゜;)?!
本当に前回とおんなじ監督?
前作の反省を活かして今回本気で面白い作品にしようっていう心意気は感じられる作りだなと感じる作品ではないかと
正直 前作は何だったんだ?!あっ!そうか!
前作最後の台詞「これ作り物だから」は今作への布石であり前作は実験映画だったんだ!
前作より格段にいいところが増えて
ホラー映画らしい出来になってます。
今作期間限定でレンタルでも収録されている
スマートフォン連動アプリ スマ4D
このアイディアは斬新で
仕掛的にも映画への感情移入度が上がり
ゲームで画期的な作品「ヘビーレイン」に近い印象でこれ今後の映画にも可能性を与えるんじゃあないかと3D以外にもこういった
ギミック演出は活かせると感じられます。
ただギミックの演出上の欠点や致命的な誤算が
あるんですが後程述べさせていただきます。
前作と比較しながら
本編とスマ4Dとの連動を合わせて解説
(ネタバレあり)
本編の始まり方
前回では山本祐典が貞子を井戸に落として
はっはっはするとってつけたチープな始まりでしたが。
前作のあらすじと前作から出てる謎の女の呟きから何か始まる予感的タイミングの
薔薇が伸びる映像の後にタイトルが出る演出は格好いい!(ネーミングセンスは別として)
その後に暗い部屋で主婦が電話をとった瞬間
観てるこちらのスマホが鳴り正直「知らない電話番号だな」で一回通話を押すと
画面上の主婦と電話相手のやり取りがコチラのスマホを通して聞こえる仕掛けで
これはひょっとするとと次の瞬間
超能力的な力で主婦が自分の意志とは
関係なく操られ自身の目に刃物を突き立てようとする予告でも出てるあの場面は本当にハラハラして観てるコチラも思わず目を背けたくなり
;゚д゚)刺すの?刺さらない?溜めて溜めてからの
ギャアア(;゚д゚)
このシーンでレベルアップを感じた!
前作のニ○ニ○動画のリアリティなしのあれとかファイナルディスティネーションの横からドスンをショボくしたアレより全然(・∀・)イイ
(折角だから血がブシャアーとする演出も追加して欲しかった音もリアルなんだから)
前回の石原さとみに代わる新たな主人公を演じる瀧本美織の演技も
前回発狂しまくる残念な扱いだった石原さとみと比べてこの子の恐がり方とか自然な印象で良かった
前作では致命的だった証明問題が今作では解消されてちゃんと怖くなってるし不吉感で何か起こるんじゃあとか感じられるのでコレも○
あと今回前作では本当にCG感丸わかりの
モンスター貞子とかは辞めてちゃんと怖くなる異形なものの造形あの風呂場に現れるやつや
スマ4Dの仕掛けも死体が出る場面でスマホを観ると現れるギミックも思わず声を上げてしまいました( >_<)
他でもいじめっ子とかをちゃんと裁く描写は
子供をジョーズの餌にしたスピルバーグ並だったり感じの悪~いおばちゃんが建物から落ちた後の描写も上手い!前回ではちゃんと見せてくれないばかりか間抜け過ぎ失笑感の落ち方と比べたらちゃんと怖くしてくれているしスペルの婆さん並だった
前作では省いてた呪い描写もオリジナルらしく腕にできる螺旋状の痣とか不気味なスケッチブックとかやれば出来んじゃんの一言
前作では本当にとってつけただけのキザな感じだった山本祐典がちゃんと謎めいてる感じで今回上手くからんでいるなと感じる
クライマックスは前回辟易するだけだったアレなんかより格段に良くて主人公の子供時代のトラウマと向き合うシチュエーション
アレ正直ウルッてきました(つд`)
スマ4Dの演出も冒頭から感染率が上昇していくあれもクライマックスとのリンクも活かされる
ところなんか観てるこちらも他人事で観ることなく楽しめた
映画上のツッコミを述べるなら
物語の鍵である前作の石原さとみの娘が
いくら何でもふっくらし過ぎて正直可愛いか可愛くないかでいえば ぶっちゃけ可愛くないです…ラストにチラッて出てくるあの髪の長いあの子が適役だろ
他には山本祐典のキャラは前作より絡んでるや謎めいていいんですが結局このキャラがそれで何をしたいのか解らずじまいのまま幕引きなのはどうなのか…
何よりコイツがどういう目的で囚人になったのや消化不足なのは相変わらずではある。
あとは…瀬戸康史演じる主人公の兄が前作からの経緯でああなのは理屈はあるがちょっと中身のない空虚で何考えてるのかわからないキャラにもなってるし後半の「退職届を出した…これからはずっと一緒だ」は
それでどうやって家族養うんだ!!とか
後なによりどこいっちゃったの?
最後アアアアアって言ってそれっきり(^_^;
まあそれでも本当にあの前作とは比べ物ではないしそれなりに楽しめたから
これぞ真の名作…と言いたいんだけどね
ここから前作のダークサイドを引き継いだばかりか別の意味で問題になってる一番のツッコミがあったのでここだけは解せん
今回のギミック要素スマ4D
アイディアはいいけど要所要所余計な所で
反応されるといちいち画面から目をそらさねばならず見所のびっくり演出がスマホを観てたから見逃しちゃったりとちょっとスマホ演出が過剰になっちゃっている感じ
あと途中電車の場面で「大声で助けを呼べ!」の指令がスマホにくるんだけど映画館で観に行ってたら絶対声出しにくいし実際劇場内で大声出されたら「うっせぇぞこのやろー」になっちゃいますしこの後の仕掛けが酷くて…指令どおりに出した声が録音されて再生されるとかコレ劇場公開時に観に行ってたら恥ずかしさのあまり顔から火が出るよ!!
金払った俺がなんでこんな恥ずかしい目にあわなくちゃいけないんだ!!とかに
エンドロールの演出は正直がっかりな所で
エンドロール終わったあとに感染率100になってびっくり演出として素顔晒した貞子が襲いかかるこれぞホラー向けギミック!!という演出がほしかったあの花火ギミックは興ざめ
完全にゆるキャラみたいになってたからねデフォルメされた貞子がお空飛んでる絵面とか
あとこれ一番問題なのが冒頭の監督自身によるスマ4D説明
物凄いとってつけた感じだったからね
借金取りに追われてるオッサンにしか見えないのと説明が凄いくどかったりという点はおいといて…
「いいからスマートフォンを起動するんだぁぁ…何ぃ?映画泥棒?そんなのいいんだよっ!!」
良くねえよ(-.-#)
きいててええっ?!と耳を疑っちゃいましたよこれ駄目でしょ?!監督の口から映画泥棒を許す発言
映画の途中からスマホ を映画に向けろとか
絶対映画泥棒しまくりですよ!!
どうぞ~映画泥棒しまくってくださ~いと
言ってるもんでしょうが!
スパイ大国ならぬ映画泥棒大国になっちゃうよ日本が!!

まあ…どのような結果であれ楽しめたことは
楽しめましたしスマ4Dのアイディア自体演出とかカメラ演出をカットするとかもっと工夫をすれば今後の映画とかにも活かせるんじゃないかとm(_ _)m
ただ劇場よりレンタル向きなのと
ニンテンドー3DS用に作っても相性がいいんじゃないかと思いました。
結論「スマ4Dは期間限定なので期間限定内でレンタル鑑賞するのがお薦めである」
お薦め度☆☆