ひとは独りで生まれ、そして独りで死んでゆく。
最初と最後はどうあっても独りでいなければならない。生まれる前と死んだ後、ひとは必ず独りだ。
だからひとは生れ落ちてから死ぬまでその寂しさを埋める為、絆を求めるのだという。
―――絆。それはとても脆くて切れ易いものだけれど、それなしでひとは生きてはいけないのだ。
雷雨の晩に、彼と教会で逢う。
彼の大きな手。確かな力。温もりはあたしに安堵を与えてくれる。
髪を撫でてくれる時の彼の笑顔はただ、ひたすら優しい。
彼からふたつ、贈り物を貰った。
ひとつは魔法の、紫のノート。そしてペン。
もうひとつは、彼の本当の名前。
彼の心が嬉しくて、ノートが結んでくれる彼との絆が愛しくて。
神の寝所だというのに、あたしはつい羽目を外してしまった。
彼があたしにしてくれること、齎してくれるものは余りにも多くて、大きくて。
あたしはその何万分の一さえ返すことが出来ない。
あたしは一体何をすれば、彼の想いに見合う想いを彼へと伝えられるだろう?
とりあえずは、彼に心配をさせないように。彼が安心してあたしの闘いを見ていられるように強くなろう。
それから彼が恥ずかしい思いをしないよう成長しよう。えーと……肉体的にじゃなくて精神的に。
彼は気が長いのでいつまでも待っててくれるらしい。
……おばあちゃんになっちゃう前になんとかできるといいな……。
遭遇者:ガルーダ