前にも言ったけれど、あたしは人の困るところを見て喜ぶヤツが大キライ。
自分だけ良ければいいとか、他人なんてどうでもいいって思ってるヤツも大キライ。
人の揚げ足を取って喜ぶヤツも大キライ。
―――ゴキブリとタコの次に。
皇帝との一件以来、あたしは吸血鬼を殊更よく観察することにした。
世の中にはいい吸血鬼もいる。そういった人々と出来れば分かり合えればと思って。
もしかしたらあたしの知らない吸血鬼の歴史か何かが見つかるかもと、図書館へ行く。
何冊か適当な文献を漁っている途中で、どうしてもあたしの背では届かない所にある本が欲しくなって。
背伸びしたりジャンプしたりとあたしが四苦八苦していると、人がやってきて代わりに取ってくれた。
本を取ってくれた人の名前はノエリー。吸血鬼。
人を見下したような、バカにしたような笑みを終始浮かべている彼。今までも何人かそんなタイプの
人には会ってきたから、彼もそういうシニカルな性格なんだろうと割り切って接してみた。
あたしに本を取ってくれたのは、きっと純粋な親切心なのだろうと思って―――表向きは友好的に。
けれど、そんなあたしの薄っぺらい思考を嘲笑うかのように、彼の表情は一貫して薄ら笑いのままだった。
―――結論。
彼は敵。
遭遇者:ノエリー