あたしの田舎はとても信心深い、それから迷信深いところだった。
そんな村には、当然たくさんのおまじないがあって。あたしも子供の頃は色々なものを知っていた。
大半は取るに足らない……信憑性も根も葉もない、ただの迷信だったけれど。
それでも、信じることが大切なんだ。―――信じる心が、力になる。
おイモが美味しい季節になった。
おイモだけじゃなくて、栗や梨。葡萄に茸、お魚も脂が乗っておいしい。
誘惑が多くて体重を保つのが大変だけれど、あたしにとって秋は一番好きな季節だ。
―――勿論食べ物だけじゃなくて、涼しい風や紅葉の景色も好きな理由なんだけど……ね?
まあでも、やっぱり手っ取り早く秋を感じるには食べ物を頬張るのが一番、と思って焼き芋を
袋いっぱい買った。
それをゴンドラ乗り場近くのベンチに座って味わっていると、変わった女の子がこちらを見ている。
見慣れない、エキゾチックな衣装に身を包んでいたのはエステラ。
なんでも、エステルっていう名前のお使い猫を探しているらしい。
お使い猫、なんて初めて聞いた。その名の通りお使いする猫で、使い魔とは違うらしい。
人の言葉も分かるらしいその猫に会ったら、伝言をお願いしたいって頼まれた。
うーん……この世には変わったモノがいるもんよね。
エステラと一緒に座っておイモを食べながら、ちょっとお話しした。
彼女は占い師見習いらしい。
運勢とかは占えるの?って訊いたら、ちょっと難しいらしい。
でも、ひとつおまじないをしてもらった。
―――“一番良い笑顔で笑えますように”―――
おまじないの効果が現れるよう、がんばらなきゃね。
遭遇者:エステラ