第526回「なぜヒトだけが老いるのか」 | 社長備忘録

社長備忘録

かくすればかくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂

2月13日(火) 今朝のスピーチの内容は、「老いること」についてでした。

 

人生の後半戦を迎えて、偶然にも小林武彦教授の著書、「なぜヒトだけが老いるのか」を手にしました。

 

野生の生き物では「ピンピンコロリ」の状態で死ぬので、老いた野生動物はほとんどいません。

 

それは生態系が、基本的に「食べるか食べられるか」の関係なので、動きが悪くなることは、即、死を意味します。

 

だから、野生の多くの動物は、死ぬまで子を産み、そしてスイッチが切れたように寿命を迎えます。

 

では、ヒトだけが老後が長いのは?

 

その理由の一つに「子育ての手伝いや教育」があります。

 

シニア世代が子育てを手伝うことで、若い世代はより多くの子どもを産み育てることができます。

 

これは、いわゆる 「おばあちゃん仮説」で、孫の面倒をみるという重要な役割が、結果的に「長寿」を手に入れたことになります。

 

さらに重要なことは、古来より集団の存続には、豊富な経験、知識をもつリーダーの存在が必要で、それには、立派なシニア(高齢者)がリーダーとして活躍する集団が有利でした。いつの時代にも、集団には長老がいて組織を上手くまとめていました。

 

そして、現在の日本の平均寿命は、男性が81年、女性が87年です。30年ぐらい老後を過ごすことになります。

 

ちなみに、1970年代の平均寿命70歳でした。60歳で定年して余生は10年ということになります。戦後の高度経済成長と人口増加時代では、企業の定年制は必要だったと言えます。

 

しかし、今は少子高齢化時代です。益々、シニアの役割は重要になると思います。

 

最後に、ヒトとして生まれて来た者として、「もう歳だから」などと老け込まず、これまでの豊富な経験を活かして、次世代をサポートできるシニアになりたいと思います。

 

以上、ありがとうございました。