政治が芸術に関わってくるとき | ローマの松の木の下で・・・

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あるウクライナのピアニストが、

プーティン及びロシアを応援したかどでボイコットされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレッサンダー・ロマノフスキー(39歳)はウクライナ生まれだが、

7歳の時、イタリアの音楽院で教鞭を取っていた同郷のピアノ教師、レオニード・マルガリウスに師事するために

家族と一緒にイタリアに移住した。

その後ロンドン王立音大でドミトリー・アレクセーエフに教わった。

 

 

17歳の時にイタリアの国際ブゾーニ・コンクールに優勝してから、

コンサートピアニストとして世界中で活躍し始めた。

 

 

彼が27歳の時、ローマのパルコ・デッラ・ムージカで、

ラフマニノフのピアノコンチェルト3番のピンチヒッターとして演奏した時、

感銘を受けた。

 

 

 

ニューヨークタイムズ誌に

 

卓越した技術と色彩感覚を持つピアニストとして

 

絶賛されている。

 

 

 

彼がローマでコンサートをするときは必ず聞きに行き、

 

一時帰国した時に丁度日本でコンサートをしたので、(2016年)

 

お友達に券を購入してもらって、

 

四ツ谷の紀尾井ホールまで見に行ったら、

 

席は満席だし、

コンサート後、彼のサインをもらうために

長蛇の列ができていた。

 

 

 

今年の1月にローマでリサイタルをするはずだったが、

 

キャンセルになった。

 

 

理由はというと、

 

反ロシアのグループからコンサートを中止するようにとの脅しがあったから。

 

 

コンサートを主催したのが国立ローマ・サピエンツァ大学だったので、

公共の場でロシア派のピアニストを受け入れて良いのであろうか?

という批判を恐れたのであろう。

 

 

ロシアがウクライナに侵攻してから約2年。

 

この間 アメリカ大使館主催のウクライナ応援コンサートに行ってきた。

 

日本もそうだが、アメリカ、ヨーロッパはロシアのウクライナへの侵攻を民主主義の危機と捉え、

 

フランスのマカロン首相など、ウクライナに援軍を送ろうとまで考えている。

 

 

侵攻直後、プーチンに賛同してきたロシアの音楽家、世紀のソプラノ歌手ネトレプコもボイコットされたが、

ネトレプコはその後ウクライナ侵略に反対の意を表明したので、

現在では普通に欧米で音楽活動を続けている。

 

 

ロマノフスキーはウクライナ人に関わらずロシアとの親交が厚く、

去年の7月、爆撃を受け廃墟と化したマリウーポリ(600人死亡)で、

電子ピアノでロシアのヴァイオリニストの伴奏をした。

 

その上彼はプーティンを応援し、武器購入の援助までしたというではないか!

 

 

おかげでイギリスの王立音大とイタリアのパヴィア音楽院の教職も追われたらしい。

 

 

ウクライナ人なのに、どう考えても正しいことをしてないプーティンの応援をするのもどうかと思うが、

 

それが原因で、

 

音楽家としての輝かしい活動を棒に振ってしまった。

 

 

今までのロシアとの親交をおじゃんにしたくないのもわかるけど、

あからさまにプーティンを応援するのではなく、

中立の立場を取ることはできなかったのか?

 

 

そんなことも事前にわからないなんて、

 

頭がどうかしてるとしか言いようがない。

 

 

才能がある素敵な人なので、本当に残念で仕方がない。(もう欧米で日の目を見ることはないだろう) 

 

 

日本ではこれと関係あるかわからないが、

 

以前は東京などの主要都市の他、地方都市などでコンサートを毎年の様に開いていたが、

 

最近は去年の11月に愛媛県の今治市など小さい町でコンサートを開いたらしいけど。

 

 

多分これから彼の活躍場所はロシアか中国かのどっちかになるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと貴公子みたいな方である。