「火事場の馬鹿力」という言葉がありますが、ふだんは重い荷物を持ったことのない人が、火事の中から百キロもある金庫を担ぎ出したという実話があります。
この他にも、5階のマンションのベランダから、自分の2歳の子どもが落下するところを見つけ、落ちてきたわが子を受けとめたという話もあります。
いずれの場合も、通常であれば出来ないようなことを、実際に人が出来てしまうのです。
このように人間には本来、考えられないような凄い力が潜んでいます。
しかし、いつもはこの力をまったく発揮せれていないのです。
その原因は、知らず知らずのうちに「出来るわけがない」という強い暗示にかかっているからです。
元来、人間は「暗示の力」に非常に弱い生き物なのです。
ビジネスの世界に「優秀な上司のもとに、優秀な部下は育たない」という言葉があります。
優秀な上司は、部下の行動を見ていると歯がゆくて、つい「役立たず」「能無し」といったニュアンスの言葉で叱責してしまいます。
部下はマイナスの暗示をかけられ、本当に仕事ができない人材になってしまうのです。
これも暗示の力です。
逆に、落ちこぼれの社員に向かって、次のように声をかけてみます。
「○○課長が、△△君は誤解されているようだけど、人の見ていないところで一生懸命に仕事をしているし、責任感が強いとほめていたよ。」
と話したら、その後本人はメキメキとやる気を出して、最後まで仕事をやり遂げる責任感の強い社員に育ったそうです。
このように暗示は、人の行動に大きな影響を与えるのです。