話す内容の材料集めと、その話の組み立て作業が終わると、もう、話す準備が出来上がったかのように錯覚をする人がいます。
しかし、あがりを追い払い、人前で堂々と話をするためには、このあとの十分な練習が最後の決め手となります。
落語家は、一つの新作を高座で語るまでには、100回以上も稽古をすると言います。
芝居にしても歌手にしても、舞台に上がるまでにリハーサルを何十回も重ねるのです。
どの世界でも、プロと呼ばれる人たちは、素質もあり経験も豊富ですが、それでも妥協を許さない練習を重ねています。
人前に出ることの少ない素人が、本番で話を成功させるためには、プロの何倍も練習をしなければならないのは当然です。
練習を何回も繰り返すことにより、話すことに自信がつき、あがりを追い払うことができると共に、むずかしいと言われる接続詞や形容詞も自然に使えるようになってくるのです。
人前で話をするとき、最も気をつけなければならないことは、一語一語ゆっくり、そしてハッキリと話すことです。
緊張すると、どうしても話のテンポが早くなってしまいます。
だから、逆にゆっくりとハッキリと、正確に発音するように努めることによって、あがりを抑えることができるようになります。
あがりを防ぐうえで、この話し方はきわめて効果的です。
一般に、どもる傾向のある人は、早口の人が多いです。
話に自信がないと、忘れないうちに最初から一気に話してしまおうとしてしまいます。
ところが最初の一言が出てこない。
勢いこんでしゃべろうとするからまたどもる。
そして、ますます早口でしゃべろうとする。
これがあがり性の悪循環であって、早口・どもる・あがるの三者が、互いに悪い方向へと働き合ってしまうのです。
この悪循環から脱出するためには、ゆっくり、ハッキリ、大きな声で聞きとりやすく話すことです。
そのためには、正しい発声法でしっかりしゃべる習慣を身につける必要があり、普段から発声練習をすることが大切になります。