「あがり」は病気の症状ではなく、性格の問題で、人によって個人差があります。
あがりは、失敗に対する恐怖心から引き起こされ、感情が高ぶって平常の落ち着きをなくした状態のことです。
人前で何かをするという不安な状況に対して、肉体的、精神的に緊張が高まり防衛本能が働くのです。
いわば、人間の本能の働きによるものですから、誰でも、多かれ少なかれあがるのです。
しかし、このあがりを克服する人もいれば、あがりに振り回されてしまう人もいます。
「私の家は代々あがり症の家系で、人前に出ると手足や唇が震え、声が出せなくなります。遺伝的なものなので治らないと思います」と言われる人が時々います。
このような考えをもっている限り、あがりから解放されることはありません。
なぜなら「あがるのは遺伝」などと決めつけて、あがりを克服することを諦めているからです。
厳しいことを言えば、こうした自分以外のせいにするという弱い心が、あがりの根源であり、自分で自分の心を呪縛しているのです。
あがりやすい性格の人、特に心配性の人、気の弱い人、自分の話に自信のもてない人は、人前で話そうとしただけで、呼吸が乱れてきて心臓がドキドキ高鳴ってきます。
ひとたび人前に立てば、手足が震えて目の前は真っ暗になり、声まで震えてきます。
このような状態になると、「ほかの人は落ち着いて話しているのに、なぜ私だけこんなにあがるのだろう」と悲観的に考え、やがて「あがりは克服できないもの」と思い込むようになってしまいます。
あがりは病気ではなく、その人の「性格の問題」です。
失敗に対する恐怖心が、あがりに拍車をかけるわけですから、「あがりを克服してやる」という強い意志をもつことが大切です。