ロサンゼルス近郊には2003年から4年間住んでいたのですが、The Baked Potatoには何回足を運んだか数えきれません。







その中には、あこがれのミュージシャンもいました。


その中のひとりは何と言ってもこの人。プロアマ問わず、ギタリストにとっての神様、Allan Holdsworth。


中学~高校生の頃の私はYoung Guitarという月刊誌を購読していましたが、Allan Holdsworthに関する情報はその雑誌で見る記事と写真、それに当時ラジオでエアチェックした来日公演(Tokyo Dream)というライブ音源のみ。


それを、初めて、目の前で、しかも至近距離で、神様が演奏しているというこのキセキ。

この幸せな時間を、4年の間に数回体験する事ができました。


他のメンバーによって音の傾向は変わっていましたが、そんな事は彼自身の超人的な演奏の前では小さな話でした。



しかも、お値段は(食事別で)$35ほど。当時のレートだと3000円くらい。
これも日本では考えられないことでした。



そのAllanが引退するという報道がなされています。

もう一度見たい。The Baked Potatoで。




2003年1月、ロサンゼルス近郊に引っ越しました。

いきさつは忘れましたが、職場のメンバーとおしゃべりをしていたら、音楽の話になりました。

そして彼がライブに誘ってくれました。これは運命の出来事でした。



その場所は、Hollywoodの北にあるThe Baked Potatoというライブハウス。

Jazz/Fusion系の音楽をメインに、幅広いジャンルのミュージシャンが登場する場所です。

有名なミュージシャンもしょっちゅう来るよ、との事だったのですが、中は数十人入ればいっぱいとなるくらいの狭い場所で、ステージは客席から手が届きそうな場所。

ステージは一晩に2回あり、1回目は9:30くらいから始まるから、7:30くらいに行っていい場所を取って料理を注文して、出てくるのを待ちながらお酒を飲んで、そして料理を食べて、落ち着いた頃にライブが始まるよ。と。


メニューを見ると、基本的にベイクトポテトだけ。トッピング(味付け)を選ぶだけ。

そして出てきたのは、それまで見た事が無い大きさの、じゃがいもを焼いた料理。

さすがにアメリカだ。




そしていよいよステージが始まる。

そこで初めて見たのは、CABというグループ。

行きの車の中でその友人がメンバーの名前を教えてくれたのですが、私は当時誰一人知りませんでした。



正直に言うと、その当時はJazz/Fusionなんてあまり興味が無かったんです。

せっかく誘ってくれたから、まあ経験のために一度くらい行ってみてもいいか、くらいの感じで。



ところが演奏が始まったとたんにぶっ飛びました。

この人たち、すげーーーーーー。



こちらが当時の最新アルバムです。

Cab 4/Tony Macalpine

¥1,407
Amazon.co.jp



演奏はすごい。

テクニックがすごい。

客席とミュージシャンの距離がすごい。

演奏の最中もウェイトレスは普通に料理やお酒を席に運んでいる。すごい。

そして演奏が終わった後はお客さんのところに来て一緒にビールを飲んでる。すごい。

お客さんもオトナなので、日本のように(?)キャーキャー言うこともなく、普通の友人のようにおしゃべりしている。すごい。すごい。



いっぱつで気に入ってしまったのでした。



ステージは1時間ほどで終わったのですが、友人が、11:30頃からもう一度ステージがあるけど見ていくか?
・・・と誘います。


見る見る。今日は金曜日の夜だし。二つ返事でした。


ショーの合間では、裏口に出ると喫煙所があって、ミュージシャンとお客さんがおしゃべりしたり、ステージの前ではCDが積んであって売っていたり。(CDにはサインしてくれたりする。)



結局セカンドステージが終わったのは1時近かったと思います。

その日は最高の夜にしびれたまま、帰路についたのでした。



つづく。




つづきです。


Deep Purpleと言えば、なんといっても第2期でキマリです。

解散前のDeep Purpleはメンバーチェンジにより第4期までありましたが(再結成後もありますが)、私の中では、【第2期か、それ以外か】という括りになります。

第2期の録音は、スタジオ録音はもちろん、ライブ音源も手に入るものは全て持っているつもりです。


やっぱりライブがいい。
あの緊張感。


大学の時に友人が、バイクレースのライダーの言葉だったと思うが、『緊張感からは良い結果は何も生まれない。集中力が大事だ。』というような意味の言葉を教えてくれました。


なるほどな、と思っていましたが、


第2期のDeep Purpleのライブは、言葉で表すと、やっぱり【緊張感】になってしまいます。

緊張感がすばらしい結果を生み出しています。

これはLed ZeppelinのアルバムPresenceでも感じたことですが、その話はまた別の機会に。



そして、Deep Purpleのギタリストと言えば、泣く子もだまるリッチー・ブラックモア。

最近はよくわからない趣味の音楽に行ってしまったようですが、私にとっては永遠のギターヒーローです。



『リッチーブラックモア読本』という本を持っています。

今見ると1981年発行なので、私は当時中学生だったようです。


その中で、Char(竹中尚人)が、『リッチーブラックモアこそが、日本のフォークギターの売れ行きを減少させた張本人である。』という名言を残しています。

それが事実かどうかなんてどうでもいい。まさに言い得て妙。




第2期のメンバーで再結成して、それはそれで感激したし、いい音も出していた。

だけど当時とは別物。

その違いはやっぱり【緊張感】という言葉になってしまう。(ボキャブラリが乏しいだけです。。。)



もっともっと当時の音を聞きたい。発掘して欲しい。

切に願います。