午前4時30分。ヒグラシと共に起床→朝食→瞑想。
午前5時10分。学習開始。外はウグイスの声。
周囲を森林に囲まれた自然環境。何かが違う。都会的ストレスみたいなものがない。
合宿中日。
それでも暑くなるまでの間にできるだけ自己課題を前に進めることに変わりはない。
一方、台所の後片付けが終わったスタッフは、続けて膨大な量の洗濯物を干す。
さらに彼らは、昼食の準備も始めなければならない。梅郷のスーパーが開けば、買い出しにも出かける。
そしてひっきりなしに冷たい麦茶の準備をする。
毎日15人分の食事を三食用意するのは本当に大変である。天井の低い台所の気温は40度を超える。昨年キレたスタッフが出たのも頷ける。
でも、ご飯の時の生徒たちのワイワイした雰囲気はこの上ない。見ていて楽しい気分になることを禁じ得ない。平和とはこういうことを言うのかもしれないとやや大袈裟に感じたりもする。
我々はなぜこの合宿を行うのか。
それは、これが子どもたちに、最高の学習習慣機会を与えていることが実感されるからだ。少子化社会の子どもたちに、縦割り集団生活を行わせ、しかも自発的に能力開発学習する習慣をつけさせる。そして、これに参加した生徒たちの2学期以降の学力の伸びが予想外に大きいことを経験的に知るからである。
古民家自然環境、焚き火に川遊び、自己向上学習集中。他にこんなことをしているところはほとんどないだろう。
しかし暑中、これに付き合うスタッフはキツい。「この合宿は黒字なんですか?」と尋ねる生徒がいて苦笑するが、そもそも考えないが利益を考えたらとてもこれを行うことはできない。行う側がキツすぎる。
我々は、教育上これに勝る試みはないと確信してこれを行なっている。これが、他のあらゆる教育環境設定に優り、子どもたちのためになることがわかるからこそ実践している。継続している。善いことをしていることを悦びに感じてこれを実行している。
午前7時。ミンミンゼミが鳴き出したが、まだ暑くはならない。
外では鳥と蝉が鳴く静謐な室内に、ノートや本をめくる音と、たまにキーボードを打つ音だけがこだまする。