奥多摩合宿ー3 | JOKER.松永暢史のブログ

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雨である。しかも驟雨である。川遊びもやっていられない。古民家に戻る。

山々に烟る大雨の姿は力強い。圧倒される。ただ眺めているよりほかすべがない。

しかし、涼しい。雨で昨日までの熱さが吹き飛ばされた。

そのせいか午後3時、学習を再開すると生徒全員非常によく集中する状態になった。

およそ10人。各々自分のデスクで学習を進める。英語文法の学習をする者。数学の問題をひたすら解く者。小説をどんどん書き進める者。ワープロ打ちする者。高校教科書をじっくり読んで自分で前に進む者。

思い通りである。非常に好ましいムードが早くも整った。相互の波動の影響なのか、みんな思いの外よく集中する。この連続なら能力の開発につながる。より意識的にアタマを使うように指導する。

ただ、漢字や英単語を覚えるのではない。それが実際使えるように、イメージや連想を用いて、しかも「加速」しようとする。数学の問題をただ解くのではない。より早く正確にしかも連続的にそのアタマを意識的に続ける。

腹が空けばおにぎり。喉が乾けば麦茶。わからないところがあれば質問。

午後5時。終了の合図の鐘の音と共に焚き火タイム。薩摩揚げなどを焼いて食す。ひぐらしの声。

夕食はハンバーグ。野菜料理三点とスープ。

その後のシャワー太鼓タイムも盛り上がった。神戸から参加のS君は綺麗好きで良く整頓する。しかし、太鼓になればジャンベを生き生きと叩く。お会いしたことがないが、どういう親御さんなのかとちょっと気になる。そこへタムラマロの和笛。これは強烈。しかし良い。でもこれは都会ではやれない。和笛を嗜む現代少年。「文化」の正鵠を射る感覚。これも珍しい。それを許す親はどのような人たちか。タムラマロは、ものすごい読書家で、机の上には読む予定の本が山と積まれるが、新潮古典集成の『源氏物語』も3巻ほどあることに驚かされる。中3で『源氏』を原文で読むのである。他の生徒も、意外なくらいよく集中している。いつも訳のわからぬ質問を口にするコウセーも驚くほど集中していて、私が近づいても顔も上げない。ちょっと驚かされる。

外の倉庫では、中3アブラと高2ダイナマイトが、新しいスノコを下に敷いて裸足で気持ちよく学習。すぐに気が散って別のことを始めるアブラの相手をしているダイナマイトが口にする。「オレも3年前はこうだったと思うとおかしい」。これは連続的参加者が皆口にする言葉である。縦割り空間にはこの「寛容性」を自然に醸す雰囲気がある。