キャロムについて | JOKER.松永暢史のブログ

JOKER.松永暢史のブログ

教育相談、執筆・講演依頼は松永暢史公式サイトよりお願いします。

私の授業では、言語能力開発のためにカタカムナ音読、数値のイメージ能力開発のためにサイコロ、そしてキャロムを行う。

キャロムは、インド、ネパール、イスラム圏で盛んなボードゲームで、90センチ四方の盤の角角に円形の穴があって、それにストライカーと言われるやや大きめのコマを使ってコインと呼ばれる直径3センチくらいの駒を弾いて落とすゲームである。これはインドでは「スポーツ」と呼ばれており、雨季にグラウンドが使えない時などに代わりに室内でやるもので、その成績は内申点につけられる。

インド人はなぜだかこのゲームがアタマに良いことを知っているのだ。

それは何か。

それは「狙う」という能力を高めるということなのである。

もしも私たちが自然環境内にあれば、常に「狙う」と言う行為が顕現する。何も動物や虫を捕らえようとする時だけでない。石を投げる。足元の良い場所を狙って歩く。

「狙う」には意志の力が必要だ。

言語力が高められるだけでは足りない。暗算イメージ力が高められるだけでは足りない。そこに意志の力で「狙う」ということを教えなければ足りない。

ところが、現在の都市環境にいる子どもたちには「狙う」と言う具体的なアクションをする機会が少ない。

キャロムは必ず狙わなければならない。

そしてそこで、「狙う」ということが意外と奥行きの深いものであることを知る。

キャロムに上達してくると、計算ミスが少なくなる。

ふつう計算ミスを多くする者は、それをただ漫然としているから。

しかし、計算ミスをしない者は、計算ミスをしないように狙ってやっているからミスをしない。

計算ミスを怒鳴りつけて直そうとしても意味がない。

それ以前に「狙う」ということを体得させる必要がある。

それを教える教具として、キャロムほど相応しい物は他にない。

「狙う」ということの大切さ、これに気づかぬ指導者は意外と多い。