トランプ氏の「日本を愛している。今後も日本を守っていければいいと思う。しかし、いつでも立ち去れるよう用意もしなくてはならない。日本は費用の50%しか払っていない。なぜ100%払わないのだ」という発言が事実だとすると、アメリカは沖縄から即刻立ち去り、日本は米国債を買わずに独自に軍事強化するのが正しいということになる。トランプ氏には、これが「中国に譲っても良い」という意味になることは了解されているのか。いやそんなことはない。氏は、どのような発言をすると多くの米国民が喜ぶかを考え抜いたスタッフによって選ばれたことを発信しているだけであろう。
考えて見ると、レーガン以来共和党出身の大統領は、皆「演技者」であり「役者」だった。彼らの仕事は大衆を引きつけて政権を取ることであり、政権を取ってからのお仕事は他に担う人がいるということである。それに対抗して出た民主党のビル・クリントンやオバマは滅法良く口がまわる人たちであった。
「役者」であることと口が良くまわること、このことに優れることが政治家の核心なのであり、その政策実行は周囲の関係者が行っているのが当然のことなのである。
「世論」は操作されるものであり、ここでは政治家とメデイアのお客が共通対象化される。
つまり、「消費者」と「支持者」はほぼ同然である。
まずは「目眩し」を行う。そしてそこに「役者」が登場する。
無意味な情報の処理に時間を使わざるを得ない人、これが現代の大衆の姿なのかもしれない。