山に囲まれた奈良県では、住宅地から少し離れると、池があり山がある。
車は10分ほど走って、前照灯で浮かび上がった道路の真ん中の大木の所を大きくカーブすると、やがて舗装が切れて、周りは森に囲まれているが上は広々と空が広がる畑地に着いた。
真っ暗で何も見えないので懐中電灯で照らして火を起こす。
火が燃え上がると、そこに二人の大人と三人の子どもの顔が浮かび上がった。
日頃とかくアタマを使う仕事ばかりしているので、神経が疲れているのが分かるが、それを吹き飛ばしてくれるのがこの焚火の炎である。
一ヶ月ぶりの焚火である。
この見ているだけで気持ちが良くなるというのがありがたい。
それに何と言っても温かい。
男の子がウクレレを弾いてくれる。
これが実に焚火と合う。
「僕は弦の音が好きなんだ」。
山際に月が出た。
16日。ほぼ満月の月で明るくしっとりと温かい色をしている。
焚火の後は恒例の温泉。
善哉善哉。
そして、今日は、これからまたも年末納めの焚火に、千葉へ出かける。
思いっきり火を浴びて神経疲労を吹き飛ばしたい。