NSAによる外国政府指導者の電話盗聴問題と秘密保護法案が、まるで仕組まれたように同時にマスコミを賑わしている。しまいにはネットに、藤原紀香さんがブログで反対を表明したとして公安警察にマークされているという情報も流されたが、これはブログ等で書けば、その人間を盗聴したりマークするからやめるようにという警告に使われている気さえしてくる。こうなって来ると、いつも通り、何が正しいのかわからない状況になってしまう。
何が正しいのかわからない状態と、どこかで秘密が守られている状態は、ある意味で非常に似ている。隠すことと混乱させることが情報戦略の本線であることはすでに誰もが知悉していることであろう。
今となってはスノードン氏がモスクワに逃げ込んだ時、米国オバマ大統領が必死になってその身柄の返還を求めたことが深く納得できる。こんなことがバラされれば、国の威信は地に落ちる。またプーチンロシア大統領も、当然のごとく、スノードン氏の身の安全を保証すれば、アメリカにとって致命的な情報を得ることができることを確信したからこそ、氏の亡命を認めたことも理解される。
もし友達があなたの携帯電話を盗聴していることが分ればどうするか。もし取引相手の会社がこちらの社長の携帯を盗聴していることが分ればどうするか。多分どちらの場合もおつきあいを遠ざけるという判断をすることだろう。
「盗聴」には意識的な作為が潜んでいる。「過失」では絶対ないところがキビしい。
米国情報機関が各国の首脳の私的通話をチェックしていることを知らされたことは、多くの人にとって利益であったのかそれとも損失であったのか。ともあれ、秘密保護法案が成立する可能性は高く、もし成立させられなければ米国との関係上、自民党政権の受ける打撃は大きいことだろう。
考えてみれば、小沢さんも、鳩山さんも、野田さんも、安倍さんも、麻生さんも、そしてその秘書達も、み~んな盗聴されていたことになる。小沢さんの事件も、NSAが盗聴情報を警察に流したことがきっかけだとすれば、その秘密を守るために事件が検察上層に少しも及ばないようにするのも当然のことだと分かる。
それにしても、ひと月で1248億件の盗聴とある。これは世界人口の20倍に近い。こんなのいったい何人の人間でやればできることなのか。そしてその情報を全てチェックする場合、どれほどの人と経費が必要になるのか。もしそのことにそんなにも多くの人が関われば、その情報を知っている人が多くなることになり、やがてまたどこかでそれを漏らす可能性の人が出て来ることになってしまう。
う~ん何とも頭の痛いことである。しかし、これはみんなネット社会がもたらしたことなのである。やはり情報革命は画期的なことだったのだ。Facebookをチェックしたって、そこでわかることは、膨大な数の人々が、個人勝手に生活を楽しんでいることの姿だけである。警察はすでにFacebookを捜査に利用していることであろうが、事件が起こる前からチェックするのはバカらしいことだろう。
ただ予想されるのは、政府がここで秘密保護法の成立を急ぐのは、すでに絶対に公開することのできない内部情報があり、一刻も早くそれを漏らされるのを防ぐ必要性があるらしいということである。
以上完全に冗談で書いたので、もし「公安」の方々がこのブログのチェックにいらっしゃった場合、ここにある「情報」は、市井の個人のアタマに浮かんだ「秘密」の漏洩に過ぎないので、よろしくこの秘かな楽しみを法的に保護して下さるように冗談でお願いする次第である。それよか、そんなつまらん仕事をして金を稼ぐのはやめて、もっと良い仕事に転職して生活することをお勧めする。そして、芸術家にでもなったらいかがか。こちらはいくらでも自分で発信できる立場だから、思う存分漏洩できて余分なストレスがないと思うよ。貧乏だけれどもね。