音読雑感( by Joker ) | JOKER.松永暢史のブログ

JOKER.松永暢史のブログ

教育相談、執筆・講演依頼は松永暢史公式サイトよりお願いします。

こうしてふと気がつくと、自分は何と多くの子どもたちに音読を教えてきたことか。
家庭教師で生活し続けるためには子どもの成績を目に見るように上げることができなければならなかった。そのためには子どものアタマを発達させなければならない。でもそれにはどうすることが正しいのか。私は常にこのことを考察の対象にしてきた。ある意味で、教育を哲学してきた。
そうしてある時点で核心的に知ったー勉強ができる、アタマが良いとは、日本語による了解能力が高いということに他ならないと。ではその日本語の了解能力を高めるにはどうしたら良いのか。その答えの試みの第一が「カタカムナ音読法」であるが、これは日本語を正しく意識的に一音一音切って発声しながら、古事記など古代からの古典作品の主要部分を年代順に音読了解する練習方法である。そして、その学習の最初に、先住民系の先行言語としてのカタカムナの音読を行うというものである。
私は全ての子どもにこのことの体験を勧めたい。なぜかというと、この音読法は単に日本語の了解能力を高めるだけではなく、焚火同様、子どものアタマを活性化させる、我が国の美しい将来にとって憲法改正よりも最優先させるべきことがらであるからである。今年はより積極的に国内各地での音読講演に取り組む所存なので、関心がある人は是非アクセスして欲しい。もちろんV-netの音読道場見学もお勧めである。
答えの試みの第二は「抽象構成作文法」であるが、最近V-netの作文道場ではこれをさらに進化させてウソでも本当でも自在に書きあやつって遊ぶというメディア編集部創作課みたいなことになっている。神田川水上探査、零戦埴輪飛行の次は、竹橋ベーコン試食会と取材対象もブッとびであるが、書く側に回れば了解する能力は格段に高められてしまう。と言うよりも情報の送り手側になってしまうことが恐ろしい。ここにはすでに国語力の一つの到達目標地点が、「人を説得してしまうこと」にあることが暗示されるが、書けば書くほど了解能力は高まって行くと思う。
答えの試みの第三が「リベラルアーツ」である。これは、大人の思考判断の基となっている古典的な名著を会読して意見を言い合うというものであるが、本来自分一人では読めないはずの文献が会読に参加すると読めてしまうということになる。そして私は、このセッションこそが最も子どもの日本語了解能力を高めているのだと感じる。このことは、幼時における読み聞かせが子どもの言語了解能力発達の一つの柱であることと極めて似ていると思う。少年たちが大人でも大半は難しいと感じるものを音読するのを耳にして了解してしまう。なぜかみんなで音読すると読めてしまう。だから、このリベラルアーツ形式の授業が、最も中高生の国語了解能力を高めるものだということになるのである。
このリベラルアーツの次は何かと言うと、これは第二、第三を合わせて発展させた「小論文討論会」になるだろうが、これは是非ともネットで全国の諸君と繋がるインフラを整備したいと思っている。
*V-netリベラルアーツ:初級コースはしばらく『旧約聖書—創世記』(岩波文庫)、第一第三土曜日6時より、上級コースは岡倉覚三『茶の本』(岩波文庫)、同第2第4土曜日。
たまには画像でも、これは庭での一コマ。鯛釣草とルピナス。


$JOKER.松永暢史のブログ