『3つの壷』( by Joker ) | JOKER.松永暢史のブログ

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このJokerBlogとリンクして「V-netブログ」の存在があるが、最近そこに掲載される文章がやけにオカしい。特に、小学校6年生の地井台 舞氏の短編作品『3つの壷』がぶっとびで面白い。明らかにこの方は「天才」で、すでに世人が到達できないアタマの働きがあたかも実在しているかと信じさせるようなレトリックをそこに残している。夢の中の、少し神経に障るかもしれないような殺伐した事件とモチーフが間断なく続いて行く、まるで音楽のような繰り返しを用いて、しかもウルトラドライな感触を与えて。この文章には、人を酔わす力がある。あたかも人が酒を酔うために飲むかのように、日常を離れて酔うために読むのが文学作品である。別の世界に連れて行ってくれるのを文学作品というのである。でもそれにはやはり人に連続的に読み続けさせてしまう面白さがないと、気がつくと海老珊瑚化してしまう。しかし、地井台氏のレトリックは、人に面白いと思わせる説得力をそこに備えているのである。こんなのを書くのは実はしんどいのかもしれないが、引き続き書き続けることで自分の才能の限界線を探る旅を続けて欲しいと思う。リベラルアーツ上級コースは、今晩18時からマキャベリ『君主論』。「子を持つ親のための音読講座」は3月20日開講。是非興味がある方にお伝え下さい。