社会へ出て5年以内の若い会社員たち数人を相手に小さい講演を行った。
これは酒の席で、『この国をダメにした学校教育』を読んで共感したという若者に頼まれて成り行き的に引き受けてしまったものである。
しかし、どう考えてもミスキャストである。
まず私は就職というものを拒んで生きてきたものである。
というより、組織で働く能力がない。
それどころか日本人の組織が大嫌いである。
その私にとって、もし就職するとしたら、その目的は諸処様々な技術を身に付けて起業を目指すためになる。
つまりできるだけ早く覚えたいことを身に付けて会社を辞めて独立するためということになる。そして、そのためには、もちろん精神肉体の健康は大切にするが、どんなに激しく働くことも厭わないことになる。
若い会社員に、会社を辞めるための働き方を示すのであるから、企業にとってはとんでもない講師と言うことになる。
この上で、私の哲学の基本である、境遇と環境との関係と自己向上の手段、人間として学問や芸術が不可欠であることを語って終了した。
後日私が話したことのサマリーが送られてきた。これは全体の中の部分を繋ぎあわせた「抽象構成」であり、他に強調したことの意識的記述的な捨象が見られるが、私はこんなことを話すと印象づけられるらしい。アンケート調査では満足した人が多かった。
・資本主義社会のなかでは、起業が一番。
・毎日30分間、ノートに儲かることを書く。
・儲かることが見つかったらすぐに行動に移す。
・自分に向いている部分を磨く。
・自分が本当にやりたいことを毎日問いつづける。
・夢を見つづける。
・信用でつながる友達は大切。
・人を説得できる言語力は不可欠。
・リベラルアーツとは説得力を身につけること。
・仲間と徹底的に議論する。
・エネルギーを交換して、人を元気にする。
・本を読む。
・会社員でも起業するための技術やノウハウ(=生きていく術)を学ぶ。
・給料は貯金して起業資金にまわす。
・特許を取る。
・命一つあればそれでいいと考える。