子どもを壊さない教育—ある受験プロの私的考察—2(by マッツ) | JOKER.松永暢史のブログ

JOKER.松永暢史のブログ

教育相談、執筆・講演依頼は松永暢史公式サイトよりお願いします。

私はそもそも高校受験と大学受験専門の受験プロだった。
中学受験については、教育相談の上、無理ではないことと、将来確実に役に立つことを前提とした教育を行ってきた。
中学受験については、早稲奥手を判断する必要がある。
子どもには、子どもの時期ならではの経験するべき事柄がある。
早熟聡明な子どもたちにおいては中学受験は「GO」であるが、そうではない子にそれを課すと、その子の順調な成長を妨げることになる。このことの認識により、無闇な中学受験よりも、先々役立つことを指導しながら、家からできるだけ近い学校に通わせるように指導してきた。
私たちは、やりたいことをするために生まれてきた。そのために最も注視するべきことは「時間」である。しかし、家から遠い学校に通えばそれが叶わなくなってしまう。非常に教育方針が優れるごく一部の私立校以外は、たいていは経営のために進学率を伸ばすことだけを優先して、闇雲に中学3年間のカリキュラムを2年間に圧縮しようとするのが一般である。そして、そのことによって落ちこぼれる子どもが出ることは敢えて捨象しているのが実態である。
金を払って通わせる私立で子どもをダメにされる、教育コンサルタントとして何としてもそれを避けることを勧めてきた。
これは当然のように、一般進学塾の営業方針と対立する。
一般進学塾では、多くの母親に不安感を煽り、できるだけその塾に通わせる時間を多くして利益を上げるのが「常套手段」である。私はこれを、子供が壊れることを隠した「詐欺」だと考えている。多くの進学塾の合格実績の背後にそれと同数のダメになった子どもたちがいる。このことを正直に報告せずにいたずらに合格実績を歌う。しかもそれは作為的に操作されたものである。大手塾の合格実績数を足せば、簡単に総合格者数を上回ってしまうのがその証左である。
世の中が「資本主義社会」であることは否みようがない。できるだけ多くの人の欲得を煽り、そしてそれをを誘導してお金を多く払わせなければ、企業的利益は得られない。しかし、そういったことの累積が今回の東電原子力問題に象徴される我が国のゆがみなのではないのか。メディアも同罪である。
少子化社会で、多くの親が子どもの教育をどうしたら良いか分らず思い悩むことは良く理解できる。しかし、日本人的発想で、多くの家庭がやっているから多分正しいだろうと思うと、金を払って子どもを壊してしまうことに繋がる。
だから私は、子どもたちの健全な発達と必要な学習の両立のために能力開発メソッドを考案してきたのである。
夏休み前に多くの親御さんから、塾の過激な講習に参加すべきか否かの相談を受ける。
これに思い悩む人は、子どものトータルな成長を考えるために、是非ともV-netの門を叩いて欲しい。