V-netリベラルアーツ | JOKER.松永暢史のブログ

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V-netリベラルアーツ5月は、『臨済録』を主要テキストに、『碧眼録』、『無門関』、『般若心経』と渉猟した。
地震後の学校新学期圧縮カリキュラム消化で多忙のため、これを見過ごした諸君は、少なからぬ損失を被ったと思う。
Yサピの諸君。ひょっとしたら、諸君はこのブログを参考にしているかとも思うが、やはりここには旧制高校生的レベルの「境界」が潜在するとは思われないか。いったいどこの世の中に、中高生に、かつて我が国支配層が尊奉した『臨済禅』の直接読解をする授業があるだろうか。すでにテキストを手にした上でこれに欠席した者たちは、詮方なき理由もあろうが、まことに遺憾である。
始祖達磨は、梁の武帝に「功徳」について問われて、「無」と答えて江を渡った。
黄檗は、「仏教的的大意」を問いかけた臨済を棒で打った。
主体的判断と主体的活動。
これが分らぬものは「叡智」から遠ざかる。
創造的な人間になることよりも、優秀な人間になることを第一義にするもの、そのものたちは、それとは無縁である。
あたかもモンテッソーリやピアジェが我が国教育界で広く受け入れられなかったごとく。
私は、苦言を呈しているのではない。
そしてまた、黄檗のように追い打ちの棒を食らわしたりもしない。
私がするべきは、よりいっそう良い授業を心がけることだ。
次回6月11日は、『コーラン』(岩波文庫)に入る予定。これを読むことにより、「自爆テロ」の背後思想を確認し、同時に我が国の「特攻隊」乃至は「靖国」の思想を客観化する予定。参加予定者は巻1を早めに購入して下読みを始めて欲しい。
他の予備校関係者も見学歓迎なのでぜひ参加されたい。
どうせ結局究極教育がするべきことは、「焚火」と「リベラルアーツ」なのだから。(松永)