「破綻」について (by Joker) | JOKER.松永暢史のブログ

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自己の存在する社会状況が悪化のベクトルにある時、日本人は歴史的に潜在的まず緩やかな破綻を期待し、誰か元気のあるものが最終決定することを好むというのも強ち間違った歴史解釈ではなかろう。
旧国鉄は破綻してJRになった。時代状況を鑑みて変化できない経営者たちとシステム、それに反抗して自分たちの権利を過剰に主張する労働者。この結果はJALにも現れた。私たちにとって、JALがどうしてやっていけているのかは長年の謎だった。後発の飛行機会社は国内外に多くあり、それを考えれば、自分たちが長距離移動客を独占し続けられないのは、旅客貨物輸送の独占の上にあぐらをかいて高速道路輸送と航空乗客の時代の到来を愚かにも捨象した旧国鉄経営者とその労働者と同然であろう。
私たちが自らに課せられる税のシステムから鑑みてあり得ない組織は、全て破綻の方向性ベクトルに乗っているといえる。「天下り」は単なるその部分集合に過ぎないのである。
先の参院選で、民主党は、自民党言質の尻尾に乗って「消費税10%」を唱えたことをメディアによって「拡声」されて惨敗した。そしてその5日後に、IMFが「日本は消費税を15%にしなければ財政破綻する」と発表した。これは、予め確定していたと思われることを選挙前ではなく選挙直後に発表するのであるから、米政権が民主党の勝利を望んでいなかったことを暗示しよう。この観点でマスコミを眺めると、最早「大笑い」の現実が知られよう。それはさらに、選挙中、為政者もマスメディアも誰も教育のことを語らなかったことでも「証明」されよう。
ともあれ、日本人は、選挙を通じて、「財政改革」より「財政破綻」を選んだのである。おまけに教育を捨象したのである。このことは国民の一部にミイラになっても生活費を請求する人たちがあることにも象徴されるとも思うが、我が国民らしい歴史的な選択であると認識する。
花は散り、実は落ちる。
老朽化したシステムと、疲れ果てた労働者。
未来に希望の持てない楽しくない社会と経済。
まさにそれは今、メディアにまで現れていると私には見えるが、私の目にはそれ以前に教育の現場にそれがすでに現象してしまっていることがどうしようもなく悲しく映る。教育の世界までですら、「改革」よりも「破綻」を選ぶとは何たる愚かなことであるか!これほど子どもを愛さない社会は珍しい。しかし我々はその状況を知った上での子育てを実行しなければならない。社会がどうであろうと、すでに生まれた子どもたちは成長し続けているのであるから、意識のあるものが子供を育てなければならない。
小沢も菅も谷垣も石破も舛添もその他政党も皆ほとんど教育を語らない。現代貴族鳩山のみ単純バラまきが必要と考えたらしい。実は彼らは全員「バカ」なのではないか。しかし、その「バカ」を選んでいるのは他ならぬ私たち自身なのではあるが。
私たちのするべきは、教育についてきちんと語れない政治家を捨象することではないか。