”インディーズの歌手にとってJASRAC登録の必要性” | ノリーヌ・ディオン (作曲家 アコーディオン奏者 長坂憲道)
2021年06月26日(土)

”インディーズの歌手にとってJASRAC登録の必要性”

テーマ:音楽著作権

このブログを拝見して・・・
https://ameblo.jp/shanks-07/entry-12682771423.html
気になる部分が多かったので補足させていただきますね。



【1】まずは、巷でよく登場する「登録」というワード。

JASRACは登録制ではございません。

音楽作家(作詞家、作曲家、音楽出版社)と信託契約という方式で楽曲管理を委託しています。

巷で「登録」のワードが出てくる場合は、誰もが無料で閲覧できる楽曲検索サービス"J-WID"のデータベースへの楽曲名登録と混同なさっているケースが多いのですが、JASRACと音楽著作者・音楽出版社との間で結ばれる信託契約とは別次元のものです。



【2】次に、インディーズであるか否かは判断基準にはならない。

インディーズやメジャーというのはレコード会社の規模・種別に過ぎず、あるアーティストがインディーズなのかメジャーなのかで著作権管理契約を検討する際のボーダーラインとすべきではありません。

今ではインディーズでも何の遜色も無く全国流通、いや世界流通が実現しています。

インディーズアーティストであったとして、TuneCore、BigUpなどを使って各種デジタル音楽配信サービス(ダウンロード、ストリーミングによる音楽配信)で簡単に音源を発信できますので、著作権管理ナシの状態で全世界に放流してしまうと、無許諾・無報酬で勝手に使われてしまい、著作権料対価を得る機会を逸する危険性が高まりますからね。

一度でもユーザーに「タダで自由に使えるんだ」と思わせてしまった作品は、その状態から回復させるのには大きな苦労があることでしょう。



【3】ライブハウスなどで曲を歌いCDを手売りするだけなら、特に著作権管理を必要としないだろうというのは正解。

このように自作曲は自演のみで、第三者に楽曲が利用される機会が無いなら、著作権管理団体に楽曲管理を委託する必要は無いでしょう。



【4】JASRACに登録するには楽曲単位ではできず、そのアーティストの曲すべてをまとめて委託しなければならないようにJASRACの説明は読めます。

そう、おおざっぱには間違いではございませんが、管理対象となるのはアーティストではなく「音楽作家(作詞家、作曲家)」と、その人多作った全ての作品です。

ここでアーティストとしてしまうと、音楽著作(作詞、作曲)に携わっていない、歌手、奏者のパフォーマーも含めてしまうような誤解も生じますので、ぜひ分けて考えていただきたいと思います。

 

 


 

【5】それは包括委託した場合という解釈で、実際は楽曲単位で登録できます。
ですので、アーティストが
自分の楽曲の中で登録しておく曲、しない曲を使い分けることはできます。

 

包括委託?誤解があるように感じました。

もし巷でよく登場する「包括契約」という言葉と混同なさっているのでしたら、それは今ここで取り上げる必要はありません。


包括契約という考え方は、あくまで楽曲利用者側の利便性に譲歩した使用料の料金支払い形態にすぎず、著作権管理を委託する音楽作家との契約には直接関係しません。

「実際は楽曲単位で登録」というのが、どんな状況を想定・意味しているのかは不明ですが、JASRACと信託契約を結んだ作家は、今までに発表した全ての作品(作品届提出済み)と、今後に発表しうる新しい作品(例え届け出前の作品であっても)管理対象となる契約です。

JASRACとの契約がある音楽作家なら、これから世に公表する予定のある(既に公表した)作品は必ず作品届を提出する必要があります。

また、ウッカリ作品届を出し忘れていたような作品があったとしても、作詞家名、作曲家名がJASRACとの契約者名でクレジットされているなら、JASRACの管理作品となるのです。

作品ごとの管理(登録)選択を実現させてしまうなら、同じ作家の楽曲でも登録作品なのか未登録作品なのかによって法的な対応が変わってしまい、この人の曲なら大丈夫だと思ってテレビやラジオの放送で使用すると、楽曲によっては知らないうちに著作権侵害=法律違反を起こしてしまう可能性も出てくるのです。


コレでは楽曲利用者が困りますからね。

また、未登録=未届作品を存在させてしまうと分配保留金発生の原因にも。

ということでJASRACについて、皆さんの誤解を少しでも減らすことにお役立ていただけますよう☆

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