とある思い出 | UZSHI-縁

UZSHI-縁

「ウツシ」という哲学を軸に日常の徒然を書いていけたらいいなぁと思います

 本当は別の事について書くつもりだったんですが、ふと思い出した事があるので、Oさんとの思い出をつらつらと書いてみようかと思います。

 Oさんが来院されたのは2年前。
 
 86歳の元教師の女性で、かなりシャキ!っとした格好いい方なんですが割と天然な部分も持ち合わせて、かわいらしい方でした。

 元々肝硬変を患っていらっしゃったのですが、去年の1月かなり進行したガンがみつかり、余命1ヶ月と宣告を受けられました。

 抗がん剤を投与したものの効果が出ず、やせ衰えても週一回バスで片道40分の道のりを訪ねて来てくださり、感謝というより申し訳ない気持ちで、それでも精一杯頚椎の調整やUZSHIをさせていただきました。

 宣告された1ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎ、越せないだろうと言われていた夏が過ぎ、不思議な事にOさんは日に日に元気になっていきました。

 施術後、母が作ったご飯(私は実家で開業しております。)も「ではお呼ばれさせていただいて・・・」とペロリと平らげてしまいます。
 
 これには僕の方が驚いてしまい、人間の底力というか生命力にただただ驚くばかりで、「Oさん実は元気なんじゃないの?」等冗談めかして笑ったものでした。

 冬が過ぎ、余命宣告を受けて1年と3ヶ月。二度目の早春。
  
 いつもどおりにUZSHIを受けられ、ご飯を食べ、「もうすぐ桜が咲くけど、今年は花見に行けるやろか~?」とお話をされて帰られたのがUZSHI-縁に来られた最後になりました。

 突如容態が悪化されて入院。ちょうど桜が咲き始めた時期でしたので、近くの公園にお願いして桜を一枝いただき、小さなコップに活けて持って行きました。

 Oさんは「今年も花見が出来た~。」とため息まじりにおっしゃられると、次に一生忘れられないだろう事をおっしゃいました。

 「人生の最後にあなた方に出会えて・・・本当にありがたい事です。」

 それから1週間ほど後、Oさんはお亡くなりになりました。

 



 残された時間で、ご自分が亡くなられた後の手続きも全て自ら行っていたようで、ご家族の方とも最後に胸のうちをさらけ出してお話されて、やる事を全てなされて旅立って行かれたとの事。

 最後までシャキっとされた方だったなぁと。2週間たった今でもしみじみ思います。

 UZSHIの目的は『より良い人生を送る事』。
 
 それは、『より良い最期を迎える』事とイコールでは無いにしても通じるものはあるのではないかと思います。

 大変に、大変におこがましいのですが、Oさんが『より良い最期』を迎えられるにあたり、私のUZSHIがわずかなりともお役に立てたのだとしたら、ウツシ手としてこれほど幸せな事はありません。

 急にこういう事を思い出すという事は、近くに遊びに来られているのでしょう。^^
 
 Oさん、生前そうだったようにこれからも天国から、私の不甲斐ない所をビシ・バシと叱り飛ばしてくださいね!




 UZSHI-縁
 福岡県飯塚市片島1-5-19
 完全予約制 090-9302-3612