「町田そのこ」さんの文庫化されている小説7冊を読み終えたところです、、、
やはり、この方の作品かなり好きですねえ。
人に対して本質的に優しいのです。
とても自分に合う読みやすい作家さんです。
読み終えた7作品は次のとおり。
2017年 夜空に泳ぐチョコレートグラミー
2018年 ぎょらん
2019年 うつくしが丘の不幸の家
2020年 52ヘルツのクジラたち
2021年 コンビニ兄弟
2022年 コンビニ兄弟2
2023年 コンビニ兄弟3
以下の作品は単行本のみ。
未文庫化なので未読です。
2021年 星を掬う
2022年 あなたはここにいなくとも
2022年 宙ごはん
2023年 夜明けのはざま
「夜空~」「ぎょらん」「美しが丘~」はそれぞれが短編作品集ですが、登場人物のオーバーラップ等があったり、全体で一つの話にもなる連作です。
ただ、連作の手法も年を経るに従い更なる工夫を凝らしており、感心するばかりです。
何よりも文章表現は明らかに上手くなっています、、、
特に会話は自然に内に入ってくる感じ。
初期の頃はやや表現に固さがあったり、構成に無理な感じがあったりもしますが、それらを凌駕する瑞々しい会話のウラにある感性は既にかなりの完成型です。
登場人物はほとんど全ての皆さんが簡単には解決できそうもない大きな問題を抱えており、それを自分なりに解決していく過程を描きます。
で、これも大きな評価点なのですが、その先を中途半端に残さないところも好きな所以です。それぞれがほんの少しでも前進していき少なくとも己の立ち位置の景色を変える。これってすごいことです。
そして。やっぱりねえ、文庫化を待ってしまうのですよ。
経済的な理由もさることながら、例えば18年の「ぎょらん」という作品では文庫化された際の23年に「赤はこれからも」という最後の連絡短編が書き下ろされ付け加えられています。
この作品、非常に内容が良くて、構成上も重要な位置にあると感じます。
実際、これが無い場合の読後感って結構異なるのではないだろうか?文章もこの数年の間の作者の上達ぶりが反映されており、作品全体をギュっと締める優れた存在になっています。作品としての完成度がより増している。
遠からず直木賞あたりはとるのでしょう。
芥川賞と何が違うんやと思ってしまいますが、個人的には守備範囲の広い直木賞受賞作の方が好みが多いかも。
この現実がそうなのだから敢えて重くて暗いものって読みたくはないな、、、自分のかなり外側にある思想を気どりを込めてもてあそんでいる作品なんて必要ありませんわ。


