Amazonに投稿したインプレッションの完全版です。
コロナ禍のさなかに届けられたSANOVAの5枚目
タイトルからすると前作「ZIPANG」の姉妹作の位置付けです。各曲のテーマは正に「日本」
サウンド面ではトリオという形態からは更に逸脱しましたね。
これは個人的には望んでいた方向です。
常々、コンポーザ―としての堀江沙知さんの力量を知るにはトリオである必然性は無いと思っていました。
それどころか足枷になりかねない。
その効果が顕著に表れているのがアルバムを代表するであろう名曲「空知らぬ雪」です。
ピアノに重なり一気に展開するストリングス系の音は間違いなく正解でしょう。
素晴らしい音像の拡がり。ピアノだけでは構築できない世界です。
正にプログレッシヴでシンフォニックな要素を含んだ音像。
元気いっぱいの猪突猛進も良いのですが、この曲でSANOVAはついに叙情が疾走している。
(モーツアルトじゃないけれど、、、)
これまでのSANOVA作品では疾走する猪突猛進スタイルの曲と、叙情を前面に出したスローなバラード系の楽曲はどうしてもきっちり二色に分かれていたことが多く、内心これはどうなのか?と感じていましたが、この曲に至り、その2つが見事に融合しています。
お見事です。
ついに疾走する叙情という理想形を見せてくれました。
他にも、4ビートな「花火」、これまたAメロで叙情が炸裂している「京都」など手触りが素晴らしい。
もちろんメロディも見事なのですが、各曲のメロの裏で鳴っているカウンターメロディがまた良いです。
完全なるトリオに拘っていたらこの響きはあり得ないという事です。
全体で36分というコンパクトな潔さも良いですね。
複雑に絡み合う旋律からして、堀江さんには間違いなくオーケストレーションの才能があります。
また、恐らくご本人も好きに違いない!!
(以前の個人名義の作品にボートラとしてひっそり収められた打ち込みインストは絶対に名曲です!!)
そちら方面でも是非活躍して頂きたい。イメージを広げる劇伴とか。
・・・あ~既に収録曲の「幸せ」は映画の挿入曲として作られている訳ですね。
歌物ももっと作って欲しいところです。
しかしねえ、、、ここまで売れっ子になってもまだ自身のSHOPで販売した品物すべてに丁寧に手書きのコメントを添える、そのリスナーに対する姿勢には頭が下がります。
人間性や音楽性というものは形を変えて様々なところにあらわれるものです。