Ready for the Storm / Deanta | 音楽見聞録

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Ready for the Storm/Deanta

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久々にケルトものですが、やはり良いですねえ。

Deantaのこのアルバムの中でも白眉は「Culloden's Harvest」
Culloden's Harvest by Deanta


・・・参った。美しい。それだけでなく本当に心に沁みてくる音楽です。
何なんでしょうね、この感覚は・・・・奇をてらわずストレートに響く音で勝負してきます。
もう降参するしかありません。

この曲はトラディショナルではなくシンガーソングライターの手によるナンバーですが、原曲は海に関連したなにがしかの曲から引用されているようです。

Deantaは北アイルランドのバンド。この曲収録時のメンバーは6人のうち5人が女性です。
このメンバー構成もやや叙情的な音楽性に関係しているだろうと思われます。
繊細でメロディアスで泥臭くは無い。けどテクニカルな部分でも負けてない。

この歌で歌われている「Culloden」(カロデンorカロドン。コロデンと聞こえるけど)とは1746年4月のスコットランド人のイギリス政府軍に対する最後の反抗が行われた戦いの事です。

この戦闘の後、圧倒的優位で勝利した政府軍が動けない者の首をはねたり、捕虜が後に処刑されたりと非常に悪い噂がつきまとっている悪名高い戦闘とのことです。
戦闘終結後、バグパイプ、キルト、タータン・チェックなどスコットランドの民族を象徴するものがことごとく非合法扱いとされるなど大きな抑圧があったとか。
スコットランドを完全に黙らせ、イギリスの近代がここから始まる。そんな暗く悲しい歴史を歌っています。

従って「harvest」はもちろんポジティヴな意味での収穫ではありません。
「黒い収穫」或いは「報い」という意味で使っているのでしょう。

テーマが重いだけに美しさと儚さが際立つ。素晴らしいです。
アイリッシュの女性ボーカルは沁みる歌声が多いです。

Mary Dillon(vo),Clodagh Warnock(bouzouki, fiddle, bodhran),Kate O’Brien(fiddle),Rosie Mulholland(key, fiddle),Deirdre Havlin(flute, whistle),Eoghan O’Brien(harp, g)
メンバーはこの6人。ハープ担当の男性はバンドのリーダー、フィドルのケイトの弟さん。
彼のアイリッシュ・ハープがなかなか良いアクセントになっています。

2ndアルバム「Ready for the Storm」は1994年の作品。ちなみになぜかタイトル曲が一番ケルトっぽくないコンテンポラリーな感じです。

まあアイリッシュは尽きませんね~