From Langley Park to Memphis / Prefab Sprout | 音楽見聞録

音楽見聞録

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CDレビュー中心のつもりが、映画や書籍など他の話題も。

From Langley Park to Memphis/Prefab Sprout
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1. King of Rock 'n' Roll
2. Cars and Girls
3. I Remember That
4. Enchanted
5. Nightingales
6. Hey Manhattan!
7. Knock on Wood
8. Golden Calf
9. Nancy (Let Your Hair Down for Me)
10. Venus of the Soup Kitchen


 前回に引き続き、なんと今回もプリファブ・スプラウトです。(残念ながらあまり反応が良くないですが・・・)


 実はブログ記事を書くときにはあらためてそのアルバムを聴きこむのですが、前回「STEVE McQUEEN」を聴いた勢いでついでに3rdアルバムの本作を聴き始めた所、いや止まりません。この気持ち良さ。ついついヘヴィー・ローテーションとなってしまいました。


 本作は前作から3年後の1988年に発表されました。トーマス・ドルビーのインタビューによるとこの時期パディ・マクアルーンは作品に対するピュアな姿勢と売れるものを作らなくてはならないというミュージシャンとしては避ける事のできない葛藤の中にいたようですが彼の作曲能力は衰えるどころかますます冴え渡っています。

 アルバムに収録された各楽曲の完成度は2ndアルバムよりも明らかにこちらの方が高いでしょう。正に捨て曲なしの名アルバムです。


 1曲目、耳に残るサビのコーラス「ホットドッグ、ジャンピング・フロッグ、アールバーケーキッ!!」、お馴染みmaj7の響きを散りばめたキャッチーな2曲目(サビのコードがDm9!)、7th,9th,11th,13thなどのテンション系コード満載で進む響きの美しい4曲目、その後のバラード2曲等々、パディの持つ独特なコード感覚とそれに載せてくるメロディのセンス。これにつきるのでしょう。またリズムの仕掛けが要所要所に。そういう意味ではこのアルバムはプリファブ・スプラウトのベストと言えるかもしれません。

 例えば一見ロックロールの体裁をとる9曲目「GOLDEN CALF」でさえサビは「F#m11」と「Dmaj9」が繰り返されるこれまた普通でない展開。(この曲のブリッジ、格好良い・・・)
 そして夢見るような9曲目「NANCY」・・・いや見事です。


 そしてトドメは全体をふわっと覆うなんとも言えない上品さです。これがあるからアクも無く、かと言って嫌みにならずとても気持ちの良い時間を提供してくれます。


 私がそのバンドにやられてしまう場合、大きな要因の一つに胸をかきむしりたくなるような「切なさ」を感じてしまうかどうかがあります。プリファブ・スプラウトには見事にそれがあるんです。


 またこのアルバム、意外なゲストが参加しています。WHOのピート・タウンジェントがアコースティック・ギターで、スティーヴィー・ワンダーがハーモニカでそれぞれ1曲づつ。
どういう繋がりなのかとても不思議です。


 この時期のステージを見ると、やはりギターを操りながら難しい音程のヴォーカルを決めるのは難しいようで、どうしても荒さの目立つ演奏になっています。・・・でもステージの全貌をオフィシャルで見たいですね~


 ネオアコ系なんてケチなジャンル分けを超越しています。これまたお薦めアルバムと言い切りましょう。