マイティジャック / 冨田 勲 | 音楽見聞録

音楽見聞録

単なるリスナーが好きな音楽について勝手きままに書き散らかし。
CDレビュー中心のつもりが、映画や書籍など他の話題も。

<ANIMAX 1200シリーズ>(159)TVオリジナルBGMコレクション マイティジャック/TVサントラ
¥1,197
Amazon.co.jp

 さあ、だんだんとジャンルが怪しくなってきました・・・・


 私の場合、冨田勲氏の名前を初めて意識したのは一連のシンセ・ミュージックというより大好きで見ていた特撮番組やアニメ番組の主題歌作曲者としての存在でした。当時、ソノシートを購入すると作曲者名によく見かける名前でしたから。


 かなり古めのものばかりになりますがいくつか列挙してみると次のような番組を担当しています。( )内はTV放映の開始年です。


<特撮番組>
キャプテンウルトラ(1967年)
マイティジャック(1968年)
恐怖劇場アンバランス(1973年)


<アニメ番組>
アラビアンナイト・シンドバッドの冒険(1962年)
ビッグX(1964年)
新宝島(1965年)
宇宙人ピピ(1965年)
ジャングル大帝(1965年)
リボンの騎士(1967年)
どろろ(1969年)


 この中でも好みの曲はキャプテンウルトラ、マイティジャック、ビッグX、ジャングル大帝、リボンの騎士と言ったところ。手がけたものの中に手塚治虫作品が多いのは何か理由があるのでしょうか?(もしやご本人からオファーがあったとか?)


 まるでミュージカル仕立てのリボンの騎士、オーケストレーションの極みのジャングル大帝の様々な曲は良く語られているところです。


 今回私が取り上げたのはマイティジャックのオープニング曲の「マイティジャック」、キャプテンウルトラのエンディングテーマの「宇宙マーチ」、ビッグXのオープニング主題歌について。
 この3曲はいずれもかなり好み。あいかわらず各曲ともに壮大なオーケストレーションの元で作曲されています。当時、GS風や歌謡曲風の曲調が多かった中、冨田作品には子どもながらに何か違う格調の高さを感じさせられました。子ども番組だからと言って決して手抜きや媚びがなく、本物を作ろうとする姿勢。こういう姿勢は手塚氏のアニメの根底にも流れているもので、もしかしたらそれが同じ志を持つ冨田氏をチョイスした理由なのかもしれません。


 上記3曲はいずれも印象的なメロディを持っていますが、それ以上に共通していることはカウンター・メロディが素晴らしいことです。主旋律の裏で鳴っている対旋律の効果的なこと!これはもちろん主旋律を際だたせるために冨田氏が計算づくでオーケストレションしていることは間違いなく、ここでも頭一つ抜きんでている印象があります。


 そして何と言っても驚きは「マイティジャック」のオープニングです。壮大なフルオーケストラで始まるそれは何とイントロが30秒もあるんです。歌い初めまで「30秒」というのは当時としては画期的だったのではないかと思ってます。(手元に資料がないのでこのVersionが番組でフルに使用されていたのか定かではありません。一部にナレーションが入っていたかもしれません。)このイントロをフルに使用することによって番組のオープニングはかなり印象的でカッコ良い仕上がりになっていたはずです。


 このイントロ部分、単なるサビや主メロディの繰り返しではなく、前奏曲として独立性を持つ壮大なものです。この曲の白眉部分と言っても過言ではありません。


 「宇宙マーチ」の旋律を補うカウンター・メロディ(カウンターラインと言ったところでしょうか)も素晴らしい。結局のところ王道である対位法を元に作曲されているのでしょうが、やはりこのおかげで曲に深みが与えられていると思います。ビッグXにももちろん同様のことが言えます。


 いや~好きなんですよ(笑)!ロックもクラッシックもフュージョンもジャズも良いけどコレも大好き。当然各曲ともCDをしっかり所持しております。いわゆる歌謡曲より思い入れが大きく、こちらの方を聴く割合が多かったですね。

 欲を言えば冨田氏のこういった諸作品を是非フルオーケストラでの演奏で聴いてみたい。既発のジャングル大帝のようにフル・スコア盤として再演・録音されないものでしょうか?或いはゴジラで有名な伊福部さんの時のようにフルオーケストラの記念ライブを開催して実況録音盤を出すとか・・・