Sir John Alot / John Renbourn | 音楽見聞録

音楽見聞録

単なるリスナーが好きな音楽について勝手きままに書き散らかし。
CDレビュー中心のつもりが、映画や書籍など他の話題も。

Sir John Alot/John Renbourn
¥1,589
Amazon.co.jp

 さて、このCDですが、ロック・ポップスでカテゴライズするのはちょっと無理があります。

 端的に言えばアコースティック・ギターによる名盤。

 

 ジョン・レンボーンは「ペンタングル」のメンバーとして有名なギタリスト。ロック畑の人にはペンタングルを共に牽引したもう一人のギタリストであるバート・ヤンシュの知名度が圧倒的に高いと思うけど、幅広いジャンルへのアプローチではレンボーンには及ばない。ペンタングルでも割と細かな事をやっているのはレンボーンの方です。

 レンボーンの趣味はトラッド・フォークにとどまらず、ブルース、ジャズからルネッサンス時代の音楽にまで広がる。このアルバム邦題はジャケットのイメージからか「鐵面の騎士」。3作目のソロ・アルバムでペンタングルのデビュー盤と同じ1968年に発表されている。


 レンボーンのアコースティック・ギター以外には、ペンタングルのパーカッショニスト、テリー・コックスがパーカッションとグロッケンシュピール、フルート奏者のレイ・ウォーリーのみと言ういたってシンプルな編成で全曲がインストもの。


 最近発売になったリマスターでは13曲入っているが私の所持するオリジナルでは収録曲は10曲のみ。A面が1~4、B面が5~10という構成で裏表で内容が全く異なる作品となっている。

 A面の4曲はルネッサンス期の音楽からトラッド風のバラッドまでクラシカルなイメージでまとめている。B面はうってかわってジャジー&ブルースなナンバーがならぶ。


 いや、これがねえ。すごいんですよ。1968年という時代を考えるとこのアコースティック・ギターの世界は突出していると言わざるを得ない。フィンガー・ピッキングで奏でられるジャジーなインプロビゼーションには舌をまきます。この時代にここまで先鋭的なアプローチをしていたという事実。アコギをこんな風に奏でるミュージシャンは恐らくいなかったのではないかと思う。こういったジャジーなアプローチをより掘り下げて行けば更に極みに達していたのではないかと思う。


 器用さが仇となりエレキ楽器に手を出した時のレンボーンはあまり好みではないのですが、このアルバムでのプレイを聴くと黙らされてしまいます。

 

以前紹介したペンタングルの1stともども非常に好きなアルバムです。