ついに・・・ついに出た!アライン・キャロンの公式ライブ映像。それも110分という長尺で。いや、待ったかいがありました。
Alain Caron は今は無き「UZEB」というカナダのトリオ・フュージョン・バンドの凄腕ベーシスト。6弦のフレットレスとフレッテッドやMIDIを使い分けたプレイはとにかく驚愕もの。活動圏がカナダ東部およびフランスであるためフランス語圏での活動となるためか、とにかく日本での露出度が低く知る人ぞ知るプレイヤーとなってしまっている。
UZEB解散後、ソロアルバムを5枚発表しようやく今回の初映像の発売にこぎ着けた。
実はこのDVD購入の際も発売日が当初から延長してしまい、「本当に発売されるんだろうか?」と心配になったくらい。
さて、内容だが、これまでの印象どおり・・・というかそれを遙かに上回る。
キャロンの真骨頂は6弦フレットレスでのまさに歌うようなフレーズにあると考えている。もちろん以前からスラップでのプレイも随所で聞かせていたが、メインはフレットレス。
が、しかし今回の映像ではとにかくスラップでのプレイが目立つ。実はこの人のスラップはこれまでそれほど特殊なものだと思っていなかったし、それほど注目していたわけではないが今回の映像を見てまるっきり見方が変わってしまった。
もう凄まじいとしか形容しようのないプレイ・スタイルを持っている。サムピングの後のプラッキングは通常人差指で行われるがこの人の場合それに中指や薬指がからんできて正直どうプレイしているのか全くわからない。テイク・バックの動作も最小限で親指は振り抜くスタイル。アップ・ダウンもごく普通に使い、小指をボディや1、2弦に接触させている何とも不思議なスタイル。
通常のプレイの時も実は3フィンガーでのプレイなのでその延長で独自にスラップの方法を編み出したらしい、という事は以前何かの本で目にした記憶がある。
左手のフィンガリングも実に美しい。こちらもいわゆる最小限の動きで効率良いプレイを行う「スローハンド」スタイル。練習を重ねて行く上でどんどんプレイの無駄をはぶき、いかに楽に難しいフレーズを演奏するか研究の賜物なのだろう・・・
どうもインプレッションがキャロンのプレイに偏ってしまったが、5人編成のこのバンド、それぞれのソロもスゴイ。各人のソロがしっかりフィーチャーされている。
なかでもJEAN St-JACQUESがプレイする「MALLETKAT」によるソロが見物。この楽器はあまりなじみがない楽器だが、マリンバ系のMIDI版のようなもの。キャロンはUZEB時代からMIDIをバンドサウンドに積極的に取り入れており使い方もかなりウマイと思う。
とにかく久々の至福の時間。口を開けてみてしまう。思わずにやけてしまう・・・そんな映像作品