- ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター
- スティル・ライフ(紙ジャケット仕様)
個性派ヴォーカリスト、ピーター・ハミルを中心としたグループ、ヴァンダー・グラフ・ジェネレイターには好きなアルバムが多すぎて1枚のみに絞って紹介するのは非常~に苦しいが敢えて選ぶとすればこの1枚。
このアルバムはいわゆるⅡ期の2作目になる。Ⅱ期はおよそ2年程度という短い活動期間中に3枚のアルバムをたて続けに発表した時期で、ピーター・ハミルの製作意欲がピークに達していた時期とも言える。(その後のハミルのソロアルバムの枚数は尋常ではないのでまあ驚くこともないのか・・・・)
それにしてもⅠ期~Ⅱ期のバンド休止期間はやはりハミルはしっかりソロ作品を発表していた訳でしかも録音メンバーがほとんどバンドと変わらない。活動は一環して続いていたというわけ。
Ⅱ期は一般にはⅠ期と比較するとアグレッシヴさを増し繊細な部分が抜け落ちているような紹介のされ方もするがこのアルバムを聴けばそんな事はないという事がわかるはず。Ⅰ期と比べて楽曲のスケールが増し更に思い切りの良くなった演奏に包含された震えるような、こわれ物のような繊細さが感じとれないようではいかん!!完成度はかなり高いと思う。
このバンドの魅力は何と言ってもハミルのVOのたぐいまれな個性と存在感にある。ハミルのVOの魅力はある時は聖歌隊の少年のような美しいソプラノ・ヴォイスを聴かせるかと思うと、パンキッシュで嵐のようなシャウト絶叫!、と曲調により目まぐるしく変化し、その真摯な詩を圧倒的な表現力でぶつけてくる所にある。
そのナルシスティックな立ち居振る舞いと言い全く希有なヴォーカリストである。私の中ではガブリエルと並ぶ二大「ピーター」くんである。嫌みがないもんなあ・・・
この時期のヴァンダーのバンドサウンドの鍵を握っているのは間違いなくキーボードのヒュー・バントンである。バントンのキーボードは教会音楽風のチャーチ・オルガン・サウンドが大半を占め、ハミルの作る大袈裟な曲に更なる冷たさを湛えた荘厳さを加えている。
ハミルの作る詩の内容は自己が存在する事への不安や葛藤、人類の進むべき道筋とは?と言った端正かつ壮大なものが多く、それをいかにもヨーロッパ人らしい頑固さと、肯定的で正統と言わざるをえない思想を加味しつつシリアスに演じ、軽くは聞き流せない内容となっている。
その昔、英国内向けのLPのジャケットに、近頃の若者は「詩の意味」を読解する能力が欠けてきているという理由から、自らの歌詞の解説を書いた事があるというエピソードもあるくらい。ホントこの人まじめだね~。
しかし、このハミルのVOとバンド・サウンドにはまるともう中毒状態となり抜け出せなくなるぞ。個人的には初期と最後期に在籍したベーシストのニック・ポッターの破壊的な音も好みだが、なんとなくどこか頼りない演奏もこのバンドの個性なのだろう。やっぱり曲が良くて声が良い。
とにかくハミルが歌い出すととたんに空気が変わるのがわかる。
- ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター
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