Tore Down House / Scott Henderson | 音楽見聞録

音楽見聞録

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Scott Henderson & Thelma Houston
Tore Down House

 このアルバムは副題が featuring Thelma Houston となっているが、まごうかた無くギタリスト、スコット・ヘンダーソンの1997年のソロ・アルバム。

 「スコット・ヘンダーソン」=「スコ・ヘン」=「少し変」と一部で言われているちょっと変わったギタリスト。


 自身のハード・フュージョン・グループであるトライバル・テックの諸作品とは異なり、何故かソロアルバムでは思いっきりブルース・フレーバーを見せつけるヘンダーソンのソロ2作目。

 なおドラムスとキーボードはトライバル・テックのメンツが担当している。2002年に発表した次作、3枚目の「Well to the Bone」では更に進化したブルース(注:このアルバムになるともはや曲の骨子となるフォーマットにはブルースをほとんど使用していない・・・けれど何故かブルースに聞こえる所が不思議)を聴かせてくれるが、この2作目は実験的な部分がありながらも非常にブルースに根ざした音作りをしている。そのためか取っつきやすく何度もくりかえし聴き込んでしまうアルバム。


 ギター・テクニックはもう申し分なし。お得意の流れるような(これをコードの間を縫っていくようなプレイと評した人がいるが正に至言)早弾きも効果的。ブルース・ギターを基本にしているがジョン・スコフィールドじゃないけどこの人も旋律が「アウト」していく。この音使いは非常に冒険的でエキサイティング!


 この人は主にストラトキャスターを使いアーミングを多用するタイプのギタリスト。アームはトリッキーな使い方というよりも独特なビブラートのかけ方に使用している。全体的な音はかなり70年代を意識したような感じでまとめられている。しかし、良く聴くと分かるとおり決して「ただ」のブルースではない。変拍子、コード・チェンジともに曲を作り込んでいる印象がある。


 トライバル・テックで端正なフュージョンを披露する反面ソロではブルース・ロックを、と守備範囲が深いギタリスト。
 フィーチャーされているテルマ・ヒューストンの歌がこれまた良い。ハープのパット・オブライエンもただ者ではない。
 ちなみにジャコのコンティニュームも演ってます。