加工肉の消費量を3分の1に減らすと、3糖尿病、新血管疾患、大腸がんなどのリスクを大幅に引き下げることが英国エジンバラ大学と米国ノースカロライナ大学の研究で明らかになり、2024年7月の「The Lancet Planetary Health」誌で研究成果が発表されました。
この研究によると、米国の成人が加工肉の摂取量を30%減らすと、心血管疾患や大腸がんの症例も数万人減少する可能性があるということです。具体的には、糖尿病の症例が35万件以上、心血管疾患の症例が約9万2500件、大腸がんの症例が約5万3300件減少すると予測されています。
また、未加工の赤身肉の消費量を30%削減すると、糖尿病の症例が約73万2000件、心血管疾患の症例が約29万1500件、大腸がんの症例が約3万2200件減少する可能性があります。両方の消費量を30%削減すると、さらに多くの疾患が予防されることが示されました。
この研究は、疾病予防管理センター(CDC)の全国健康調査データを使用して行われ、米国の成人全体の模擬代表サンプルを作成してシミュレーションを実施しました。研究グループは、肉の消費を減らすことは、気候変動対策だけではなく、健康にも大きな利益をもたらすと推察しています。
【出典】 Joe Kennedy, Peter Alexander, Lindsey Smith Taillie, Lindsay M Jaacks. Estimated effects of reductions in processed meat consumption and unprocessed red meat consumption on occurrences of type 2 diabetes, cardiovascular disease, colorectal cancer, and mortality in the USA: a microsimulation study. The Lancet Planetary Health, 2024; 8 (7): e441 DOI: 10.1016/S2542-5196(24)00118-9