米国ボストン医療センターの研究によると、教育や社会経済的機会が豊富な地域で育つ乳児は、脳の活動や認知機能の発達が向上することがわかり、2024年6月の「Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics」に研究成果が発表されました。

 

この研究は、65人の乳幼児を対象に地域の機会が乳児の脳活動と認知発達に及ぼす影響について調査しました。その結果、地域とのコミュニケーションが多い地域に住む乳幼児は、生後6か月で脳機能が高く、生後12か月では認知能力が向上することが明らかになりました。

 

特に教育機会が多い地域では、乳児の脳波(EEG)の中周波数から高周波数帯域でのEEGパワーが高く、これがのちの言語及び認知スコアの向上と関連していることが示されています。研究者は、教育機会が多い地域では、子どもたちが認知刺激を受ける活動に参加しやすいために、脳機能の発達を促進するためのリソースにアクセスしやすいことも発見しました。

 

この研究成果は、地域の教育機会や社会活動が乳児の発達に重要であり、質の高い教育へのアクセスが神経発達を促進する可能性を示唆しています。

 

【出典】 Mei Elansary, Wendy S. Wei, Lara J. Pierce, Dana C. McCoy, Charles A. Nelson. Association of Neighborhood Opportunity with Infant Brain Activity and Cognitive Development. Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics, 2024; 45 (3): e217 DOI: 10.1097/DBP.0000000000001249