顔認識の能力が高い人は、その人の性格に関係なく、よりよい人間関係を築けることが、南オーストラリア大学、西オーストラリア大学、カーティン大学、ウェルズリー大学、ハーバード大学などの国際研究チームによって明らかになり、2024年6月の「Congnition」誌にその研究成果が発表されました。

 

この研究のために合計3000人を対象とした研究が実施され、その結果、顔を認識する能力は、外向性や社交性とは無関係であることが判明しました。しかし、顔の認識力や記憶能力が高い人は、親密で質の高い人間関係を多く持つ傾向があることがわかりました。具体的には、顔認識テストで高得点を取った人は、より多くの支援的なソーシャルネットワークを持ち、全体的な健康と幸福に良い影響を与えることが示されました。

 

研究グループの代表者は、顔を認識する能力が高い人は、初対面の人と関係を迅速に築くことができると述べています。逆に、顔を認識できない場合は、関係を深めるチャンスを逃す可能性があると指摘しています。また、認識されることで相手の自尊心を高めて、より暖かい人間関係を築く助けになると述べています。

 

【出典】 Laura M. Engfors, Jeremy Wilmer, Romina Palermo, Gilles E. Gignac, Laura T. Germine, Linda Jeffery. Face recognition's practical relevance: Social bonds, not social butterflies. Cognition, 2024; 250: 105816 DOI: 10.1016/j.cognition.2024.105816