免疫療法が、もっとも一般的な大腸がんの治療に有効な可能性があることについて、米国のアングリア・ラスキン大学の研究で明らかになり、2024年6月の「Nature Medicine」に研究成果が掲載されました。
この第1相試験は、免疫療法薬ボテンシリマブとバルスティリマブを使用して、101人の大腸がん患者を対象に行われました。その結果、治療を受けた61%の患者に6か月後、腫瘍の縮小、安定が見られ、特にMSSmCRCというもっとも一般的な大腸がんのタイプにも有効性が確認されました。副作用としては、下痢と疲労が最も一般的でした。
従来、免疫療法は特異的ミスマッチ修復欠損（dMMR）腫瘍に対して効果が示されていましたが、今回の研究成果が出るまでは、大腸がん患者の多くが持つMSSmCRC腫瘍には効果がないとされていました。研究グループは、免疫療法が、あらゆるタイプの大腸がんに有効であるという説得力のある研究成果が示されたのは、今回が初めてであり、画期的な結果だと評価しています。この研究は、光輝臨床試験に進んでおり、更なる検証結果が期待されています。
【出典】 Andrea J. Bullock, Benjamin L. Schlechter, Marwan G. Fakih, Apostolia M. Tsimberidou, Joseph E. Grossman, Michael S. Gordon, Breelyn A. Wilky, Agustin Pimentel, Daruka Mahadevan, Ani S. Balmanoukian, Rachel E. Sanborn, Gary K. Schwartz, Ghassan K. Abou-Alfa, Neil H. Segal, Bruno Bockorny, Justin C. Moser, Sunil Sharma, Jaymin M. Patel, Wei Wu, Dhan Chand, Katherine Rosenthal, Gabriel Mednick, Chloe Delepine, Tyler J. Curiel, Justin Stebbing, Heinz-Josef Lenz, Steven J. O’Day, Anthony B. El-Khoueiry. Botensilimab plus balstilimab in relapsed/refractory microsatellite stable metastatic colorectal cancer: a phase 1 trial. Nature Medicine, 2024; DOI: 10.1038/s41591-024-03083-7