塩分(ナトリウム)を多く含む食事は、皮膚の湿疹を起こすリスクを高めることが、カリフォルニア大学の研究で明らかになり、2024年6月の「JAMA Dermatology」で、その研究成果が紹介されました。

 

この研究は、米国在住の成人1万3千人を対象に調べたもので、1日にナトリウムを1g多く摂取するだけで、湿疹を発症するリスクが22%高くなることが明らかになりました。

 

また英国のバイオバンクから収集した30歳から70歳までの21万5千人以上の尿サンプルと電子カルテのデータを分析したところ、尿中のナトリウム量が1g増えると、湿疹と診断されるリスクが11%、湿疹になるリスクが16%、湿疹の重症度が11%も高くなることが明らかになりました。

 

研究グループは、ナトリウムは高血圧や心臓病リスクを高めることが知られていますが、最近の研究では、ナトリウムが皮膚に蓄積して、湿疹などの皮膚の炎症を引き起こす可能性が確認されていることから、食事中の塩分を制限することが湿疹の症状の改善に役立つ可能性があると述べています。

 

【出典】 Brenda M. Chiang, Morgan Ye, Aheli Chattopadhyay, Yagmur Halezeroglu, Erin L. Van Blarigan, Katrina Abuabara. Sodium Intake and Atopic Dermatitis. JAMA Dermatology, 2024; DOI: 10.1001/jamadermatol.2024.1544