マイクロプラスチックが腸から腎臓、肝臓、脳の組織に侵入し、私たちの消化経路に重大な影響を与えていることを米国ニューメキシコ大学が発見し、2024年4月の「Environmental Health Perspectives」に研究成果が掲載されました。

 

私たちの飲んでいる水、食べ物、さらには呼吸する空気からも、小さなプラスチック(マイクロプラスティック)粒子が、私たちの体のさまざまな部分に入り込んでいます。

 

ニューメキシコ大学の研究者らは、これらの小さな粒子であるマイクロプラスチックが腸から腎臓の組織に侵入し、私たちの消化経路に重大な影響を与えていることを発見しました。

 

研究によると、私たちは毎週平均 5 グラムのマイクロプラスチック粒子を摂取すると推定されるそうで、これはクレジット カード1枚の重量に相当します。

 

既にこの研究チームは、マイクロプラスチックがマクロファージ(異物から体を守るために働く免疫細胞)にも影響を与えていることを発見しています。 今回の研究成果を合わせて考察すると、細胞の代謝や炎症反応が変化する可能性があり、腸の炎症による炎症性腸疾患の一種である潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性疾患のリスクが高まる可能性があるようです。

 

【出典】 Marcus M. Garcia, Aaron S. Romero, Seth D. Merkley, Jewel L. Meyer-Hagen, Charles Forbes, Eliane El Hayek, David P. Sciezka, Rachel Templeton, Jorge Gonzalez-Estrella, Yan Jin, Haiwei Gu, Angelica Benavidez, Russell P. Hunter, Selita Lucas, Guy Herbert, Kyle Joohyung Kim, Julia Yue Cui, Rama R. Gullapalli, Julie G. In, Matthew J. Campen, Eliseo F. Castillo. In Vivo Tissue Distribution of Polystyrene or Mixed Polymer Microspheres and Metabolomic Analysis after Oral Exposure in Mice. Environmental Health Perspectives, 2024; 132 (4) DOI: 10.1289/EHP13435