歩行、自転車こぎ、ステッパー、スタンディングデスクなどを設置したオフィスは、 仕事のパフォーマンスを低下させることなく、座っている時間を減らし、職場での精神的認知を向上させるための戦略として成功していることが 、米国メイヨ―クリニックの研究で明らかになり、2024年4月の「Journal of American Heart Association」に研究成果が掲載されました。

 

この研究は、44人の参加者を対象に、アクティブなオフィス環境、座ったまま8時間の労働時間を過ごすオフィス環境など、4 つのオフィス環境の中で、連続 4 日間にわたって過ごした場合の脳機能の状態を評価( 推論、短期記憶、集中力など11種類の神経認知機能を評価)するランダム化臨床試験を実施しました。

 

その結果、 参加者がアクティブなワークステーションを使用すると、脳機能は改善するか変化せず、タイピング速度は少しだけ遅くなりましたが、タイピングの精度に変化はありませんでした。そしてむしろ、 座っているときと比べて、立ったり、足を踏み出したり、歩いたりするときの推論スコアが向上することが明らかになりました。

 

研究チームは、アクティブなオフィス環境は、生産性と集中力を保つことができる上、肥満、心血管疾患、糖尿病などの病気の予防と治療のための処方箋として活用すべきであることが、今回の研究で明らかになったと述べています。

 

【出典】 Jose R. Medina‐Inojosa, Miguel A. Gomez Ibarra, Betsy J. Medina‐Inojosa, Marta Supervia, Sarah Jenkins, Lynne Johnson, Nathalie P. Suarez, Amanda Bonikowske, Virend K. Somers, Francisco Lopez‐Jimenez. Effect of Active Workstations on Neurocognitive Performance and Typing Skills: A Randomized Clinical Trial. Journal of the American Heart Association, 2024; DOI: 10.1161/JAHA.123.031228