通常の塩を代替塩に置き換えることで、高血圧リスクを40%も下げることが北京大学の研究で明らかになり、2024年2月の「Journal of the American College of Cardiology」に研究成果が発表されました。

 

世界で14億人が高血圧というデータがありますが、高血圧のリスクを軽減する有効な方法の一つがナトリウムの摂取量を減らすことであることは常識です。この研究では、55歳以上の611人を対象に通常の塩を使うグループと代替塩を使うグループに分けて血圧の推移を比較観察しました。

 

代替塩とは、通常の食塩中の25%~50%程度の塩化ナトリウムを野菜や果物に含まれる塩化カリウムに置き換えたものです。

 

その結果、2年後に高血圧を発症した人数は、代替塩を使用したグループでは100人当たり11.7人だったのに対し、通常の塩を使用したグループでは、100人あたり24.3人で、代替塩を使用したグループは、通常の塩を使用したグループに比べて40%も高血圧を発症するリスクが低いことが明らかになりました。

 

【出典】 Xianghui Zhang, Yifang Yuan, Chenglong Li, Xiangxian Feng, Hongxia Wang, Qianku Qiao, Ruijuan Zhang, Aoming Jin, Jiayu Li, Huijuan Li, Yangfeng Wu. Effect of a Salt Substitute on Incidence of Hypertension and Hypotension Among Normotensive Adults. Journal of the American College of Cardiology, 2024; 83 (7): 711 DOI: 10.1016/j.jacc.2023.12.013