音楽は体で直接感じ、自律神経を刺激して背筋がぞくぞくしたり体温が上がったり鳥肌が立ったり、時には気を失うこともありますが、このような音楽の力は文化や国境を越えて、共通の身体感覚を呼び起こすことが、フィンランドのトゥルク大学の研究で明らかになり、2024年1月の「Proceedings of the National Academy of Sciences」で研究成果が紹介されました。

 

この研究は、フィンランドのアアルト大学と中国電子科学技術大学(UESTC)の協力により、1500人の参加者を対象にオンラインアンケート調査を行いました。 具体的には西洋人とアジア人の参加者が、西洋とアジアの歌によって引き起こされる感情と身体感覚を評価しました。

 

その結果、音楽の特定の音響的特徴は、西洋人とアジア人のリスナーの両方で同様の感情と関連付けられており、明確なビートを持つ音楽は楽しくて踊りやすいと感じられましたが、音楽の不協和音は攻撃性と関連付けられていたそうです。

 

さらに研究者は、これらの感覚は異なる文化間で類似しているため、音楽によって引き起こされる感情は、 おそらく文化や学習とは独立しており、遺伝した生物学的メカニズムに基づいていると推察しています。

 

【出典】 Vesa Putkinen, Xinqi Zhou, Xianyang Gan, Linyu Yang, Benjamin Becker, Mikko Sams, Lauri Nummenmaa. Bodily maps of musical sensations across cultures. Proceedings of the National Academy of Sciences, 2024; 121 (5) DOI: 10.1073/pnas.2308859121