羊は都会の環境と人々のメンタルヘルスを向上することが、カリフォルニア大学デイビス校の研究で明らかになり、2023年2月の「International Journal of Environmental Research and Public Health」で研究成果が報告されました。

 

この研究は、実際の大学キャンパスで羊を25頭を2年間にわたり飼育した結果をまとめたもので、当初の研究の目的は、都市の景観と芝生の管理方法と環境を向上させるために羊の飼育がどのように貢献するかについて調べることでした。研究の結果から、羊を飼育することによって、芝刈り機で芝生の手入れをするよりも、羊を飼育するほうが芝生の生育に有益であることが確認されました。

 

この研究はそれだけでなく、羊がキャンパスを利用する学生や職員のメンタルヘルスの向上(学問的なストレスの軽減、社会参加促進、リラグゼ―ション、社会的孤立の軽減)にも有益であることが判明しました。これは当初の研究の目的に含まれていなかったことで、都会での羊の飼育に思わぬ恩恵があることが明らかになりました。

 

研究者は、都会の芝生の上でも積極的に羊の飼育を始めて、環境保全と人々のメンタルヘルス向上に役立てるべきだと述べています。

 

【出典】

A. Haven Kiers, Kelly M. Nishimura, Carolyn S. Dewa. Leveraging Campus Landscapes for Public Health: A Pilot Study to Understand the Psychological Effects of Urban Sheep Grazing on College Campuses. International Journal of Environmental Research and Public Health, 2023; 20 (2): 1280 DOI: 10.3390/ijerph20021280