≪安保・外交≫

 ■現実路線、手腕は未知数

 菅直人新首相は4日の記者会見で、懸案の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題について「鳩山政権下での合意をしっかり踏まえることが、引き継いだ私たちの責任だ」と述べ、5月末の日米共同声明を順守する方針を表明した。日米関係は鳩山政権下で冷え切っただけに「マイナスからのスタート」(日米関係筋)といえ、米国との関係立て直しは急務だ。

 菅氏は代表選に際して示した政権構想で、(1)米国との信頼関係を構築(2)アジア諸国とも信頼関係を築く外交の推進(3)普天間飛行場移設問題の粘り強い努力-などを挙げた。

 菅氏は会見でも、「日米間の合意を踏まえ、沖縄の負担軽減を重視し、しっかり腰を据えて取り組みたい」と述べ、解決を目指す考えを強調した。

 菅氏は明治政府が沖縄県設置を断行した「琉球処分」に関する本を読んでいることを披露するなど、沖縄への「配慮」を示した。もっとも、沖縄側は「最低でも県外」と明言していた鳩山由紀夫首相が「同県名護市辺野古崎地区」への移設で米側と合意したことに強く反発している。

 菅氏は4日の両院議員総会の政見演説で、「外交的な発言が少ないと言われる」と自嘲(じちょう)気味に切り出したように、外交・安全保障に関する手腕は未知数だ。

 沖縄との信頼関係の回復が急務だが、合意を着実に進めることができないと、普天間飛行場の固定化という最悪のシナリオが現実のものとなる。

 また、北朝鮮の魚雷攻撃による哨戒艦撃沈事件で緊迫する朝鮮半島情勢への対応も緊急の課題といえる。菅氏は政見演説で「外交は国民が自らの責任、自らの覚悟をどれだけ持っているかによって強さが決まる。国民の責任と覚悟の模範になるよう外交も進めたい。日米基軸、そしてアジアの発展につなげたい」と訴えた。

 「アジア地域の平和と安定」のため日本がどういう責任を果たすのか具体的な構想を早期に示すことが迫られる。

 菅氏をよく知る民主党中堅議員は「菅氏は究極のリアリストだから、現実に沿った対応をする。鳩山政権のように理想を追い求めるあまり迷走することはないはずだ」と指摘する。現実路線を突き進めることができるのか、菅新首相の指導力が問われることになる。

                   ◇

 ≪財政再建≫

 ■「消費税」一転慎重に

 菅直人新政権の経済財政政策は、「財政規律」重視が色濃くなるとの見方が大勢だ。財務相として主導してきた消費税率引き上げ論議を本格化させるとみられており、財務省は歓迎ムードに沸く。だが、聖域なき歳出削減や自力で税収を増やす成長戦略が中途半端になれば、国民の理解は得られない。財務省の影響力が強まれば、看板の政治主導も色あせる。

 「これまでの発言を変えるつもりはないが、党代表の立場になったので改めて必要なときに申し上げたい」

 菅氏は4日の民主党代表就任会見で、消費税増税を封印した。

 ただ、1月の財務相就任からの半年でその発言は同一人物とは思えないほど変遷した。就任直後は「鼻血も出ないほど完全に無駄をなくしてから」としてきたが、最近は「増税しても景気は良くなる」が持論だ。

 ギリシャ財政危機で世界経済が揺れる中、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)などの国際会議に出席し、強い危機感を抱いたことが、“財政規律派”へと転じさせたようだ。

 「財政再建の重要性について、だいぶ理解してもらえるようになった」(幹部)と、ほくそ笑む財務省の思惑も透けてみえる。

 新政権では、菅氏以上に消費税増税に前向きな仙谷由人国家戦略担当相が官房長官に、野田佳彦財務副大臣は財務相への昇格が確実となっている。「財政再建の観点を持ちながら予算を考えるべきだ」などと発言する野田氏に対しては、省内から「やりやすい」(同)と歓迎の声が上がる。

 菅氏が理論武装で最近主張しているのが、「増税と成長」の両立だ。

 増税分を医療や介護などに重点配分し、雇用や需要を創出するというシナリオを描く。4日の会見で党代表としてはひとまず封印したが、「新首相として財政再建路線を主導する」との見方は消えない。

 これに対し、両立論には「家計負担が増え、景気は悪くなる」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎チーフエコノミスト)との懐疑的な見方も多い。

 先進国で最悪の水準にある日本の財政再建は待ったなしで、消費税増税も避けては通れない。だが、増税には、3日の出馬会見で「時間がなかった」と弁明した事業仕分けによる無駄の徹底的な洗い出しのほか、党内の反対を抑え、費用対効果に疑問のある子ども手当や高速道路無料化などのマニフェスト政策に切り込むことが欠かせない。

 民主党の小沢一郎前幹事長と距離を置くことで党内の支持を集めた菅氏。財務省との“近さ”が政権のネックとなる懸念もぬぐえない。

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 大分県宇佐市の宇佐神宮上宮本殿前にある大きな楠(くす)(高さ約30メートル、幹回り約5メートル)が「開運パワースポット」として話題を集めている。人気グループ「EXILE」のメンバーが歌のヒット祈願をしたことから口コミで広がったのがきっかけだ。

 「EXILE」のUSAさん(本名・宇佐見吉啓、横浜市出身)が07年、プライベートで宇佐神宮参拝に訪れ、その年に発売された「EXILE LOVE」のアルバムのミリオンセラーを祈願したところ、大ヒットにつながったという。今年4月のテレビ番組で開運パワースポットとして宇佐神宮を紹介したところ、若い女性の参拝が一気に増えた。

 宇佐神宮は楠の周りに柵を設け小さな銭箱を下げた。すると、若い女性が両手を楠の幹に当てて“霊気”をもらっている姿が度々見られるようになり、毎週土日には1日1万円を超えるさい銭が入れられるという。

 同神宮は725(神亀2)年に創建され、全国4万八幡社の総本宮。祭神は八幡大神(おおかみ)など3柱。本殿は国宝で、伊勢神宮に次ぐ皇室の宗廟(そうびょう)になっている。神仏習合の発祥の神宮として知られる。

 EXILEは、8月28、29日に大分市内の大銀ドームでライブツアーを開く。【大漉実知朗】

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 自民党の福田康夫元首相は20日、党本部で開かれた憲法改正推進本部の会合で、参院の現状について「今のやりかたであるなら二院制の必要はない。参院が政争の具に使われないようなシステムにしなければいけない」と述べ、憲法改正では党派色のない参院にするように検討すべきだとの考えを示した。

 参院に党派色が強まったのは「自民党総裁選だ。参院を握った方が圧倒的有利を誇るからだ」と分析。その上で、民主党の小沢一郎幹事長の「力の源泉」についても言及し、「小沢さんが民主党で力があるのは、参院を握っているからだ。言っちゃ悪いが、輿石(東参院議員会長)さんがこけたら、小沢さんはやりようがなくなってくるんじゃないか」と述べた。

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